0~10キロ圏
多忙な小家族はマンション、高年収の大家族なら一戸建て
そして、0~10キロ圏は、マンションが主役の地域となります。もちろん一戸建ても少数派ながら存在してはいます。東京都の千代田・中央・港・新宿・渋谷・目黒・江東区などが該当します。この地域は徒歩15分のぎりぎり徒歩圏エリアまで、多くのマンションが建ち並んでいます。これらのマンションは、職住近接で多くの時間を仕事に費やす働きざかりの単身、共働き夫婦、共働きファミリーに向いています。また、生活・娯楽施設が便利で医療施設も整っているためシニア夫婦、シニア単身など多様な小家族世帯に向くといえるでしょう。この地域は比較的コンパクトな40~60平米台のマンションが多く、必然的に小家族向きとなります。価格は4,000~6,000万円台が目安となります。一回り狭い分、20~30キロ圏と同じ価格水準です。広さより利便性を重視するなら、10キロ圏内のマンションで職住近接の都心居住となります。
一戸建てとなると、120平米の土地を買って注文住宅を建てれば、1億円は超えてしまいます。建て売り住宅を探そうとすると、120平米の広さの土地はなく、だいたいが60~70平米という狭小のものばかりです。不動産会社は売れ行きを考えて、あえて狭小にしており、販売事例によると土地70平米、建物110平米の建て売り住宅の価格は6,280万円です。おおむね6,000万円台がひとつの目安といえるでしょう。自営業、企業経営者のように24時間仕事で、30分かかる移動は無駄という超多忙で高年収、子どもは周囲に気兼ねなく思い切り暴れても良しとする伸び伸び子育てや、子どもの個性に合わせて質の高い教育を、という教育熱心な、子どもが2人以上いる家族向きといえるでしょう。
この地域は20年~30年後も就業人口、居住人口ともに集中する可能性の高いところなので、仕事の都合などで住み替えが必要になった場合でも、比較的自宅を貸したり、売却したりしやすいでしょう。住み替えの可能性の高い方は、最寄駅から5分以内のマンションが向いているといえるでしょう。
これまで述べてきたことは、真剣に住宅を探している方にとっては、何となく分かっていたことかと思いますが、改めてきちんと距離別に違いを整理して頭に入れておけば、自分に合うのがどの立地の一戸建てかマンションかが明確に分かります。
それでは次回は、マンションと一戸建ての「住み心地」の違いについて解説します。
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