「椅子」は、暮らしの一部
日常生活で欠かすことのできない道具の一つに「椅子」があります。家庭で、職場で、学校で、車や電車等の移動空間で、そしてあなたも「椅子」に身体をあずけてこの記事を読んでいることと思います。
「椅子」は使用する場所によって様々な形状がありますが、それは「使用する目的」によって異なってきます。今回ご紹介する椅子は、脚元が特徴的な椅子、それも今迄のそれとは異なり、「新たなる挑戦」の椅子なのです。
世界中の上質なデザイナーズファニチャーを紹介し続けるhhstyle.com。青山店での春の新作発表会で紹介された「Tip Ton」が、その「新たなる挑戦」の椅子。
「傾く」椅子、「Tip Ton」
まずは椅子のネーミングから確認してみます。「Tip」とは「先端」の意。通常の姿勢から座面が「先端」に向けてスムーズに傾くことから名付けたこの椅子は、つまり「傾く椅子」。足元が特徴的な椅子、「傾く」「動く」椅子といえば、「ロッキングチェア(揺り椅子)」か、「キャスター椅子(足の先端に車がついて移動する椅子)」しかありませんが、どうもこの椅子はそれらと異なります。
その秘密は椅子の前脚部の傾斜。先端部分の9度の傾斜をもたせるという重要な技術革新は、軽快なTilt Action/チルトアクション(前方に座面が傾く機能)を備え、骨盤と背骨を正常な位置に保つことができるのです。
前傾機能は、使用者の骨盤と背筋の血流を改善する効果があります。*このことは、人間工学の分野で最も権威のある大学のひとつ、スイス連邦工科大学TY−リッヒ校(ETH)は、2010年の研究で「前傾した着座姿勢と健康の関連性」を調査し、前傾姿勢が腹筋と背筋の動きを活性化させることで、体内の酸素の供給量が増加し集中力を高める効果があることを実証しました。*