何気ない料理に、先人の知恵と愛情を盛り込む
9つの幸せランチには、多品種のおかずとおみそ汁、五分搗きごはん、ヌカふりかけがついています。
こちらではお米屋さんと同じ圧力循環式の精米機を使われています。一般的なかくはん対流式と違い、圧力循環式の精米機は、米同士をこすりあわせて精米するので、欠け米が少なく、香りもよく、とれたヌカもフカフカしているそうです。
この良質のヌカをしっかり煎り、ごまや大葉等と混ぜてふりかけにされる他、塩麹チキンの唐揚げの衣にヌカを混ぜると甘味が出るので隠し味に使われているそうです。
「一物全体」良質のものを丁寧に無駄なく使う姿勢が、栄養を丸ごととりいれてカラダにもおいしく、やさしく染み入るような料理に表れている印象を受けました。
米は、丹後で無農薬栽培されている農家さんが、自家用米として作られているのを、信頼関係を築いて分けていただいているもの。春になれば、山で摘んだ山菜を一緒に送ってくださり、その山菜がお店の料理にも登場します。
私も、自家製の粕漬けや塩麹、干し野菜は仕込むのでわかることですが、「仕込みには手間ひま、時間もかかることでしょう?」と上木さんにお聞きすると・・・、
「そうですね。確かに一般の飲食店の数倍は手間がかかると思います。粕漬け等にしても、食べ頃の漬かり具合というのがありますから、毎日同じ数だけお出しできるとは限りません。干し野菜も素材によって、またその時期の気候によって同じように仕上がりません」とのこと。
料理は、随時在庫や季節等の状況により変わるため、アラカルトはもちろんコース料理も、いつも決まった同じ料理が提供できるとは限らないそうです。食材は工業製品ではない生きものですから、本来は一期一会の出逢いものなのだと、改めて思いました。
店内で自家製干し野菜を仕込んでいます。
夜には、麹を使った発酵料理のアラカルトや、またディナーコースを楽しむこともできます。こだわった日本酒、焼酎、ワインなど幅広いアルコールも揃えていますが、やはり「発酵食膳 HOZON」の料理には、「麹」が原料の日本酒が一番合うそうです。
御馳走を食べるお店は山ほどあるけれど、安心して毎日でも飽きのこないお惣菜を食べられるお店は意外と少ないものです。地域に住んでいる人たちはもちろん、近隣のビジネスパーソンにもリピーターが増えて、中には奈良や和歌山等、関西の近県からもわざわざ足を運ぶお客様もおられるとか。
塩麹や干し野菜等、自家製で楽しむ方も増えていますが、使い方をもっと知りたいという方にも、「発酵食膳 HOZON」の料理はいろいろな発見やヒントがあるのではないでしょうか。
「発酵食膳 HOZON」では、動物性食品を一切使わないメニューや、ノンソルト料理を楽しむことができます。5日前に予約が必要ですし、内容については、詳しくご相談ください。
発酵食膳 HOZON
大阪市西区京町堀1-17-7 1F
TEL & FAX 06-6445-6008
営業時間 Lunch 11:30~15:00(LO14:30)
Dinner 17:30~23:00(LO22:00)
定休日 月曜