食材の風味を引き出した体にやさしい食事
今回は「9つの幸せランチ」をご紹介します。「9つの幸せランチ」は発酵食品や干し野菜を使った、「発酵食膳 HOZON」のコンセプトを一通り楽しめる9品のメニュー構成になっています。9つの幸せランチ
「春キャベツの塩麹たまご焼き」は、料理に味付けはせずに上から塩麹ペーストをかけているだけのシンプルな料理。ほんのりした卵の旨味や春キャベツの甘味がまとまり、そのままでもおいしくいただけるほどですが、塩麹ペーストのまろやかな塩味を混ぜつつ食べるのも楽しいお料理でした。
「干し野菜のきんぴら」は、大根や人参、セロリなど季節の野菜が使われ、干すことにより歯応えが出ています。一般的なきんぴらは、もっと油分も使われていますが、あっさりと仕上げることで、素材の風味が噛むほどににじみ出てくるようでした。
9つの幸せランチ
そして五分搗きごはんとお味噌汁。最後に、甘酒のプリンがつきます。甘酒におろし生姜がそえられるように、ソースにもショウガの香りが効いていました。
自然食というと、動物性食品をまったく使わないという主義のお店もありますが、「発酵食膳 HOZON」では、いろいろな嗜好の人が楽しめるようにと、肉や魚も使われています。
けれども、動物性食品や油脂類を食べ過ぎず、野菜等をしっかり使って、多品種をバランスよく食べられるスタイルになっています。
9つの幸せランチ。デザートは、ショウガの香りが効いた甘酒プリン
お味噌汁には、季節の野菜はもちろん、大きな輪切りの干し大根が入っていて、出汁だけでなく、干し野菜の甘味等のよい旨味づけになっていて、満足感の高い味わいです。
ともすれば和食のお店は、何を食べても出汁の味が前に出て、おいしいけれど、素材の風味が後回しになっていることも多いのですが、上木さんのお料理は、出汁や調味料の使い方をギリギリまで抑えることで素材をシンプルに活かされていて、私も参考にしたいお料理ばかりです。