かたさ・粘度を配慮
2000年から介護保険制度が施行され、家庭内でも利用できる介護用食品が各メーカーから商品が販売されるようになりましたが、各メーカーの都合によって、食品物性の基準や表示方法はまちまちでした。そこで利用者が商品を選択しやすいための仕組みをつくるため、日本介護食品協議会が設立されました。同協議会では、「ユニバーサルデザインフード」(以下、UDFと表記)について「利用者の能力に対応して摂食しやすいように、形状、物性、および容器等を工夫して製造された加工食品および形状、物性を調節するための食品」と「自主規格」に定義しています。(参考/「ユニバーサルデザインフードの現状」/『臨床栄養』Vol.119,2011,No.4より)
2011年5月末現在、UDFの商品は635品もあり、年々増加しています。主食、主菜、副菜、デザートなど幅広いメニューがあり、レトルト食品や冷凍食品などの調理加工形態も様々、他に飲み物やお食事にとろみをつけるための「とろみ調整食品」などがあります。
UDFの企画に適した商品には、ロゴマークがついており、かたさの区分がわかります。(区分3の表示例)
UDFには、食品の「固さ」について、4つのタイプがあります。
「区分1:容易にかめる」
普通の食事に最も近いもので、具材は大きめで普通の食事と見た目の差はほとんどない。
「区分2:歯ぐきでつぶせる」
具材はある程度の大きさがあり、見た目のおいしさにも配慮しつつ、かたさは区分1より低く設定されている。
「区分3:舌でつぶせる」
具材は区分2よりやわらかく小さくカットされ、また飲み込みやすいようにある程度のとろみがついている。
「区分4:かまなくてよい」
「固形物は小さくても食べづらい」「水やお茶が飲み込みづらい」という人のための区分で、食材をペースト状やゼリー状などにしてやわらかく飲みやすく工夫されている。
他に、飲み込む際にむせないために、食べ物や飲み物に適度なとろみをつける「とろみ調整食品」があります。