日本における高齢者の比率は増加し、高齢者人口(平成23年9月15日現在推計)は2980万人で、総人口に占める割合は23.3%となっています(総務省 統計局)。こうした状況の中で、2011年度では「介護食品」の市場は300億円にものぼります。今回は、近年注目されつつある「ユニーバサルデザインフード」を取りあげます。

高齢になるにつれ「食べる力」が衰える

私たちの生命、そして日々の健康を支える重要なものの一つが食事です。しかし、高齢になるにつれ、だんだんと「食べる力」が衰えてしまいます。というのは、歯が抜けたり、義歯の装着で固いものが噛み難い、また噛むのが疲れる、唾液量も減り、むせやすくなるなどの要因が挙げられます。

以前の記事で「喉に詰めやすい食品と注意点」をご紹介していますので、ご参考になさってください。また高齢者施設や独居在宅の高齢者を対象に調査が行われた「高齢者にとって飲み込みにくい食物のリスト」(引用/『缶詰時報2011年10月号』「段階的食事の共通化とユニバーサルデザインフード」より)も興味深いので見てみましょう。
高齢者,飲み込み難い,食べ物
意外と、柔らかい食品でも飲み込み難いことがわかりました。また酢の物は調味料の酢が空気と一緒に吸い込まれると咽頭部を刺激してむせることから上位にありました(これは、若い人でもあることですね)。

焼きいもやゆで卵(卵黄)、またウエハースやカステラ、食パンなどは比較的水分量が少なく、唾液分泌量が低下してきた高齢者にとっては飲み込みにくいそうです。ハンバーグやもりそばなど、若い間には、また普通に食事ができる時には思いもよらないものが飲み込み難いと感じるものなのです。

このように高齢者は、「食べる力」が衰えることで、食事量が減り、栄養不足や体力低下につながってしまうことがあるのです。