カフェ/三軒茶屋・駒沢・下北沢・荻窪のカフェ

uneclef(ユヌクレ)…豪徳寺(2ページ目)

緑道に面した小さくて魅力的なブーランジェリー・パティスリー・カフェをご紹介します。パン好きのみならず、カフェ好きの人々の心を魅了してやまない空気感。カフェスペースで楽しむパンや焼き菓子のお伴は、アマメリアエスプレッソのコーヒー豆とヴィビエンメのマシンで抽出するラテやアメリカーノです。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

ユヌクレ=幸福の扉を開くための「鍵」 

「パンとは特別なものではなく、日常的なもの。起きるのがつらい朝も、『そういえば、きのう買ったおいしいパンがあったな』と思い出せば気持ちよく起きられる……店名は、そんな小さな幸せのきっかけになる『鍵』を意味するフランス語です」

ユヌクレのパン職人、伊藤公二さんのそんな言葉に心から共感しました。子ども時代には決してパン好きではなかったのに、大人になってから食べたパンのおいしさに感動し、地元の名古屋だけでなく休日には東京でもパンを食べ歩くようになったといいます。
「ただ、おいしいパンを作りたいだけ」と伊藤さん。

「ただ、おいしいパンを作りたいだけ」と伊藤さん。

そんなに好きなら自分で焼いてみれば、と友人にすすめられて焼き始めたパンが周囲の人々に好評で、とうとう大学卒業後から勤務していた地元の印刷会社を退職し、東京でパン修業をすることに。ポワンタージュなどで修行して6年目に、ブーランジェリーを開きたいと考えていたオーナー・関谷直幹さんに声をかけられ、ユヌクレのパン職人としてお店に立つことになったのです。

彼の焼きあげるパンは、お総菜パンからヴィエノワズリ、想いをこめた食パン「ユヌカレ」、そして天然酵母のカンパーニュまで、決して気難しい顔をしていません。ひと工夫を加えつつも、老若男女に喜ばれる素直で飽きないおいしさです。
人気のトロペジェンヌ(240円)、ししとうとベーコンエピ(230円)、カフェラテ(400円)

人気のトロペジェンヌ(240円)、ししとうとベーコンエピ(230円)、カフェラテ(400円)

フランス・プロヴァンス地方の伝統菓子をベースにした「トロペジェンヌ」は人気の一品(写真上)。ふっくら焼きあげた生地を2つにスライスし、練乳とバターと上白糖でつくるまろやかなミルククリーム、自家製の季節のジャムをサンドしています。

ユヌクレならではの個性が楽しいパンは、ししとうの緑が目も喜ばせる「ししとうとベーコンエピ」、「九条ねぎとベシャメルソースのブリオッシュ」など。また「金柑とクリームチーズのデニッシュ」「いちごと練乳あんのデニッシュ」など、季節ごとの彩りをちりばめたパンも並びます。
試行錯誤を重ねた食パン「ユヌカレ」は、棚に並んだ姿も魅力的。

試行錯誤を重ねた食パン「ユヌカレ」は、棚に並んだ姿も魅力的。

プレーンなパンもぜひ楽しんでほしい、と伊藤さん。「ユヌカレ」と名づけられた食パンは、オープン直前まで悩み抜いてベストの味を決定した大切なパンです。小麦粉はリスドールとスーパーカメリアの2種をブレンドし、沖縄産の塩、シママースを用いて、甘みがあるけれど決して甘すぎず、毎日食べられる味わいに仕上げました。粉の旨みがしっかり感じられて、そのままでもトーストしても楽しめます。

お店の印象を決定づける青い壁を提案したのは伊藤さんでした。印刷会社で色彩と向きあっていた経験とセンスを活かし、壁にディスプレイするカンパーニュが映える色を選択。

「店名が少し記憶しにくいので、『青い店』と覚えていただければいいかなとも考えました」

個人的に「ユヌクレブルー」と命名したい、印象深いブルーです。

次ページで焼き菓子担当の佐藤さんのインタビューをお届けしましょう。
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