データの価値化
アイドルマスタシリーズ本編は、コンシューマーにおけるアイテム課金で成功したタイトルとして有名ですね。(イラスト 橋本モチチ)
こういった形の商品は、客観的には全く無価値であるかのようにすら思えます。しかし、それぞれのゲームと関係が深まっている人にとっては大変な価値を感じる場合があるんですね。何か、限定ファングッズ、みたいなものの売り方と似ているかもしれません。
オンラインで、アイテム課金などゲームの追加コンテンツを販売するというのは、断片的なゲームデータを売る、ということです。パッケージ化されない断片的なデータは物理的な製造、流通の流れにはのせにくく、逆にオンラインでは非常に有効です。ただし、断片的でしかないそのデータにどうやって価値を付加していくかというのは常に問題になります。このことはソーシャルゲームに限った話ではなく、コンシューマーにおいても同じことが言えます。
また、断片的なゲームデータの価値づけは、まだまだ色んな方法があるでしょう。ソーシャルゲームでは、プレイを継続するために必要なステータスが時間で回復するものが多く、その待ち時間を短縮する時短アイテム、コンシューマーゲームでは、新しいステージやストーリーの追加といったゲーム体験を追加、あるいは変化させるようなものもよくありますよね。
ゲームの中身は、お金の流れが決めていくという側面が必ずあります。今後、あらゆる場面でオンラインによるサービスが拡大し、試行錯誤がなされていく中で、何が選択されていくかは、すなわちこれからのゲームが何に注力していくかの選択でもあります。ユーザーが価値を感じお金を払う正体がなんであるかが、ゲームそのものの方向性に大きな影響を与えていくのかもしれません。
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