普通預金は変動金利で毎日利息がつく
普通預金は変動金利が適用されます。つまり、いったん預けたらずっと同じ利率で計算される(固定金利)のではなく、金利が変動します。そして毎日、その日の残高をもとに利息を計算します。ただし、利息が支払われるのは毎日ではなく、銀行により年に2回など一定の期間ごとです。普通預金は毎日の残高に対して利息が計算される
SBI新生銀行のパワーフレックス円普通預金を例に説明しましょう。
■預入期間
定めなし。いつでも預け入れ、引き出すことができます。
■最低預入金額・預入単位
1円以上1円単位。
■利息の計算方法
利息がつく最低残高・最低単位は1円。毎日の残高について、金利を掛け、1年を365日とする日割り計算を行い、毎日の利息額を計算します。(残高が100万円、金利が0.001%の場合は、100万円×0.001%÷365日=1日の利息)
■利息の支払い頻度・支払方法
毎月、所定の日に預金に組み入れることで支払います(利息から20.315%の税金を差し引き後に預金に組み入れ)。
残高が多いと金利も高くなる?
普通預金は、お金の受け取りや支払いなどの決済に利用することが多いので、そもそも利息に期待する人は多くないと思われます。とはいえ、もらえるものなら多いに越したことはありませんね。ここ数年、銀行では、普通預金も残高に応じて利率を変えているところが増えています。残高が多いほど利率も高いというわけです。
前出のSBI新生銀行の普通預金でいうと、残高1000万円未満は0.001%であるのに対して、残高1000万円以上は0.002%。また、投資商品も含めた資産全体の内容や残高によっては、0.1%に金利が優遇されます。
高金利で人気を集める1週間満期や2週間満期の預金
人気を集めているのが、普通預金に近い感覚で利用できる短期間の預金です。通常の銀行では、最も期間が短い定期預金は1カ月。ところが、1カ月未満で満期が来る預金を取り扱う銀行もあります。SBI新生銀行の「2週間満期預金」
例えばSBI新生銀行の「2週間満期預金」(1口50万円以上、インターネットの申し込みの場合)は、預け入れて2週間で満期となり、金利は0.03%(参考までに、都市銀行や地方銀行の1年定期の金利水準は0.002%程度)。利息の計算方法は次の通りです。
■利息の計算方法
預入日から満期日の前日までの日数につき、1年を365日とする日割り計算で利息を計算し、1円未満の端数は切り捨て。20.315%の税金を差し引き後、満期日に一括して元本に組み入れます。
金利0.03%の2週間満期預金に、300万円を預けたとしたら、2週間後の満期時に受け取る利息は次のように計算できます。
300万円×年0.03%×14日÷365日=34円
ここから、20.315%(国税15.315%、地方税5%)の税金を差し引きます。
34円-5円(34円×15.315%)-1円(34円×5%)=28円
つまり、満期時に28円が利息として受け取れます。
他にも次のような預金があります。
オリックス銀行の「2週間定期預金」
オリックス銀行ではインターネットで預け入れるeダイレクト預金として「2週間定期預金」(預入金額は50万円以上)があります。金利は0.07%。利息の計算方法は上記と同じ。例えば200万円を2週間預けた場合の満期時の利息は、税引き後で43円です。
東京スター銀行の「スターワン1週間円預金」
東京スター銀行には1週間で満期がくる「スターワン1週間円預金」(預入金額は10万円以上)があります。金利は0.05%。インターネット、電話、店頭で申し込めます。
楽天銀行の「定期預金(1週間、2週間)」
楽天銀行の定期預金には、預入期間が7日、14日のタイプがあります。金利はいずれも0.02%でで最低預入金額は10万円。ネット銀行なので預け入れはインターネットで行います。
ある程度の残高があれば、普通預金や1~2週間の短期の預金にも、コツコツと利息がついていくということですね。ただし注意点は、満期の都度、税金を引かれることです。
普通預金はいつでも引き出せる状態にしておきたいお金の置き場所です。そのうち、いずれ引き出す可能性が高いけど、少しでも高い金利で一時的に預けておきたいお金の置き場所として1週間や2週間の預金を活用するのが賢い使い方といえそうです。
※金利はいずれも2023年12月10日現在、年率、税引き前
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