BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

BMWライド新時代、3シリーズから目が離せない(2ページ目)

3シリーズが第6世代に正常進化し、まず328iが導入された。環境性能を高めつつパフォーマンスを向上させるダウンサイジング戦略を含めた、新しいBMWライド。続々と登場する新モデルなど、今年は3シリーズから目が離せない。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

3つのスタイルで、4つの個性を提案

BMW328i

ボディサイズは全長4625mm×全幅1800mm×全高1440mm。旧型同様にドアハンドルを日本仕様専用設計とすることで、一般的な機械式立体駐車場のサイズに合わせて全幅を1800mmに収めた

スタイリングも、顔つきを除けば、BMWサルーンの作法に則った、コンサバ路線である。特に、横や後からみたフォルムや骨格デザインは、どこからどうみても3シリーズにしかみえないもの。なるほど新型デリバリー前に都内をドライブしていても、それほど目立たなかったのも、うなずける。

もっとも、BMWをよく知る人や3シリーズの現オーナーならば、はっきりと世代交代をしたフェイスデザインに注目したことだろう。新ブランドのiにも通じる、ヘッドライトとグリルをメッキパネルで融合した、新しい顔立ちとなった。しかもこの新顔では、ノーズを低くワイドにみせる演出が効いており、そのぶん、セダンでも後輪駆動らしい、ロングノーズスタイルが強調されている。

サイズ面では、ホイールベースを延ばして後席スペースを稼いだぶん、全長もわずかに延びた。幅こそ抑えられたものの全高が下がったため、新しい顔つきとあいまって、よりいっそうワイドにみえるという寸法だ。またまたドアハンドルを削ってまで幅を抑えてくれたのは、日本のユーザーにとっては嬉しいところ。実質的には変わらないのだが。
BMW328i

スポーツラインは黒を基調に赤いアクセントでスポーティさを、ラグジュアリィラインはクロームパーツで高級感を、モダンラインは三次元の表面構造をもつウッドやパールクロームでモダンな美しさを表現する。車体の拡張により後席の足下空間が15mm広くなった。ラゲッジ容量は旧型より20リッター広い480リッターに拡大

インテリアに関していえば、もっとコンサバ路線である。従来型と比べればちゃんと変化しているのだが、現世代のBMWインテリアの文法を正確に移植したという点でコンサバ、なのだ。それゆえ、下から上までBMWはすべて同じ内装で面白みに欠ける、という意見もある一方、マンーマシン・インタフェイスがころころと変わる方が問題、とする意見もある。いずれにせよ、今、人間工学的に最も優れたコクピットを採用した、という自信の現れとみていい。

内外装の見せ方で、BMWにとっての新しい試みとしては、1シリーズで試みた手法を3シリーズでも拡大採用したことだ。すなわち、ベースモデルに、スポーツ、モダン、ラグジュアリィという3つのスタイルを提案。それぞれに専用デザインのキドニーグリルやバンパー、ホイール、インテリアトリムを組み合わせることで、1+3つの個性を演出した。

3つのスタイルはいずれも同価格であり、ベースモデルとの差は、加飾具合の違いのほか、1インチ大きなアルミホイールを履く程度、と思っていい。そういう意味では、ベースグレードで十分、である。
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