「iLife」も出そろい、写真・動画編集から音楽制作まで楽しめるように
新型iPadやiOS 5.1と同時に発表されたのが、フォトレタッチアプリ「iPhoto」(450円)の発売と、動画編集アプリ「iMovie」(450円)、音楽制作アプリ「GarageBand」(450円)のバージョンアップだ。これによって、Mac OS向け同名アプリのiOS版が出そろったことになる。指先一つで手軽にフォトレタッチできる「iPhoto」は衝撃的!
iPhotoは写真の色合いや露出を補正したり、いろいろなサイズに合わせたトリミングなどができるフォトレタッチツールだ。編集した写真をメールで送信したり、FacebookやFlickrに投稿するといったこともできる。対応端末はiPhone 4/4SとiPad 2以降で、iOS 5.1以降が必要だ。ホワイトバランスが崩れて肌の色がくすんでしまったり、空の色や木々の緑などが映えていない場合など、指先をスライドさせるだけで手軽に修正できるのが魅力。
実際にやってみたが、空の部分を選んで指先で長押しすると「風景(青空)」のスライダーが表示され、顔の部分だと「スキントーン」、芝生だと「風景(緑)」といったように、選んだ部分によって調整できる項目が自動的に変わるのが凄い。顔色が悪いと思えば、顔の部分を選ぶことで手軽に「スキントーン」を変更できるというわけだ。
露出が悪くて風景や人の顔などが黒つぶれもしくは暗くなってしまった場合なども、スライダーを動かすことで簡単に調整できる。顔の部分だけ「明度を上げる」ブラシを使って明るくするといったことも可能だ。写真をモノクロにしたりセピアにしたりといったフィルターも用意している。
写真を並べてタイトルや日付や地図、テキストなどをレイアウトし、スクラップブックのような思いでアルバムを作れる「フォトジャーナル」も魅力的だ。作ったフォトジャーナルは、iCloudを通じてWebページとして公開することもできる。
iPhotoはかなり多くの機能が詰め込まれているが、ちょっと操作を覚えるだけでかなり高度なフォトレタッチができるようになる。さすがに機能が高度なため、パッと見て使えるほど直感的ではないという印象だったが、ある程度使ってみることですぐに慣れることができるだろう。有料だが、これは誰にもおすすめできる必携のアプリと言える。
Mac同様、予告編が作れるようになったiMovie
iMovieの最新バージョン1.3では、予告編の映像が作れるようになった(iPhone 4以降、iPad 2以降に対応)。本編の映像編集はもちろんできるが、9種類のテーマから選んで予告編を作れることで、より動画編集・再生を楽しめるようになった。タイトルとトランジション(シーンのつなぎ目に入れる効果)、サウンドトラックがセットになったテーマが8種類用意されており、指先でシーンごとの長さを調節しながら手軽に動画を編集できる。
初心者向けであることは確かだが、絵コンテやシナリオなどを元にシーンを追加していき編集できるので、誰でも途中であきらめることなく映像を作れるはずだ。
オーケストラ演奏もできるようになったGarageBand
音楽制作アプリの「GarageBand」は、バージョン1.2で「ジャムセッション機能」が追加されたのが大きなトピックだ。GarageBandをインストールしたiPadやiPhone、iPod touchを持ちよることで、最大4人がWi-FiもしくはBluetoothを通じて同時に演奏し、リアルタイムに音楽制作ができる。そのほか、楽器ができなくても演奏できる「Smart Instruments」に、タッチで弦楽オーケストラを指揮できる「Smart Srings」が加わった。音符エディタを使って録音を修正できるなど、より使い勝手が向上した。 iCloudを使って、すべてのiOSデバイス上でGarageBandの曲を最新の状態に保てる機能も加えられている。なお、ジャムセッション機能とiCloudは、iPhone 4以降、iPod touch第4世代、すべてのモデルのiPadで使用できる。
こちらは楽器ができない人でも手軽に音楽制作できる…と言えるほど手軽でもないが、少し音楽をかじった程度の人でも楽しく楽器演奏や音楽制作ができるというのがミソだろう。
今回発表された新型iPadは、ハードウエア的に数々のサプライズがあったというわけではないが、OSや周辺アプリのバージョンアップなどによって、かなり魅力的なものに仕上がっている。特にOSやアプリのバージョンアップについては、従来モデルでも活用できるものが多いため、既存ユーザーにとっても喜ばしいことだろう。
【関連サイト】
・アップル iPhoto
・iMovie(iTunes)
・GarageBand(iTunes)