住みたい街 首都圏/キケンな街の見分け方

安全な街を選ぶための現地チェック術

安全は住まいの基本性能。そのうちの大きな部分を占めるのが土地そのものです。ここでは安全な街を選ぶために現地では何をどうチェックしたら良いかをまとめます。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

住みたい場所の周囲500m、
できれば1キロ圏を歩いてチェック

下見で歩く範囲

現地の下見は四方八方歩けるように、時間的な余裕を持って出かるようにしたいものだ

住宅を買うにせよ、借りるにせよ、たいていの人は現地を下見に行くはずですが、安全を気にするなら、最寄り駅と住みたい場所の間を往復するだけでなく、もっと広い範囲をチェックしていただきたいところ。自然災害でダメージが大きいのは河川や海などに近い低地、あるいは周辺は高台でもそこだけが窪地になっている土地などですが、住みたい場所がそうした土地かどうかは、周囲との位置関係で確認できるからです。

 

周辺との位置関係

安全確保、減災のためには周辺から見てどのような場所に位置しているかを知ることが大切

たとえば、駅からはずっと平坦で問題がないように思えても、反対側から歩いてみると坂の下に当たっているような場所もあります。また、四方八方どこから歩いても坂の下にあるような土地もあり、そうした場所では地震時に揺れやすかったり、液状化しやすい、大雨時に浸水しやすいなどのデメリットが考えられます。

 

土地の高低

1キロ四方を歩くと周辺の土地との高低の関係が分かってくる

そのため、現地に下見に行く前に自分が選ぼうとしている場所が丘陵、台地、低地のいずれの場所にあるかをおおまかに調べた上で、さらに局地的な地形としてどんな場所に位置しているかを知る必要があります。では、どのくらいの範囲をチェックすれば良いか。私は最低でも住みたい場所の周囲500m、できれば1キロ圏くらいを歩いてみることをお勧めします。不動産広告の表記(1分80m)でいえば、12~13分圏というところでしょうか。徒歩15分圏であれば、日常的に買い物などで利用する可能性もあり、歩いてみても損はありません。

 

雨の日

雨の日の現地見学は敬遠されがちだが、その場所の本当の姿が見られるという意味ではお勧め

土地の高低は意識して歩けば分かるはずですが、分かりにくいと感じる場合には、あえて雨に日に行くのも手。水がどう流れているかで高低が分かります。また、坂の上と下では道路沿いの建物の外構、塀の高さなどが違っていることがあるので、それを気にしながら歩く方法もあります。また、現地に行く前に地元の自治体の派出所などで水害に関するハザードマップをもらい、それを持って行けば、地図が高低を教えてくれます。

 

避難場所

避難場所については地域の掲示板、あるいは自治体のホームページなどで確認して

徒歩15分圏で考えると、その範囲内には災害時に利用することになる避難所などもあるはずですから、下見時にそこまで確認できれば万全。避難経路上に橋や崖などがあると、災害時に通れなく可能性がありますし、倒れたら道路を塞ぐほどに自動販売機や自転車があるような道も不安ですから、そうした場所もチェックしておきましょう。また、古く、補強されていないブロックや石積みの塀が続くような場所も要注意です。

 

また、季節や時間、風向きなどで変わるものの、臭いや騒音も半径500mを調べておけばかなり影響がなくなり、1キロ圏をチェックしてあれば、ほぼ影響ゼロになるはず。広域チェックは住みやすさ全般を調べることにもなるわけです。

 

次のページでは住みたい場所周辺でのチェック方法です。

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