積み木遊びのような「ドキドキ感」が楽しめるストーリー
次に、登場人物が、かぶを抜く過程をみてみましょう。引き手が登場するたびに、「うんとこしょ どっこいしょ」という掛け声が響き、子どもたちは自然とお話に引き込まれていきますね。そして、引き手の列は、新たな登場人物が加わるたびに長く伸びていきます。その縦長の鎖のようなつながりを後ろから前へと逆にたどりながら、お話が進み、かぶが抜けると同時に、鎖がぷっつりと切れてお話の終わりをむかえます。
ロシアの昔話には、大きなかぶがたびたび登場します
崩れなければ終わらない積み木遊びのような、「ドキドキ感」と終わりが始まりにつながる「エンドレスの楽しみ」。その両方を持った作品であることが、『おおきなかぶ』が愛され続ける最大の理由だと思います。
【書籍DATA】
ロシア民話 A.トルストイ:再話 内田莉莎子:訳 佐藤忠良:画
価格:864円
発売日:1966/6/20 『こどものとも』での初出は1962年5月号
出版社:福音館書店
推奨年齢:3歳くらいから
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※1 参考文献
『「大きなかぶ」はなぜ抜けた?』 小長谷有紀:編 講談社