川崎、豊洲、武蔵小杉が10年で7,000戸を超える供給戸数
上位30駅で、東京都内は9駅、神奈川は10駅
2002年から2011年までの10年間の駅別供給ランキングが、東京カンテイより発表されました。首位は、川崎の7,803戸。2位が豊洲で7,620戸、3位武蔵小杉が7,431戸と上位3駅が7,000戸を超えています。次いで、4位品川が6,494戸、5位横浜が5,640戸、6位川口が5,409戸。ここまでが5,000戸以上になります。次いで勝どき、新浦安、大宮、三鷹までがトップテンです。 上位30位の内訳は、東京23区が7駅、東京都下が2駅、神奈川県が10駅、埼玉県が6駅、千葉県が5駅。都心回帰と言われている割に、郊外エリアに大量供給駅が多くあります。一定の供給戸数を得るには、利便性などの需要サイドのニーズとともに、マンション用地の供給も必要で、3県の駅が上位にランクしたのも未利用地や工場用地などの大規模な敷地ががあった為です。
同レポートでは、最寄り駅からの所要時間別の供給動向、価格帯別の供給動向も数値化されており、上位3駅を比べると興味深いです。
3駅の中で、徒歩3分以内の供給比率が最も高いのが武蔵小杉駅で、36.1%を示しています。駅を下りれば一目瞭然ですが、駅前には高層タワー群が建ち並び独自の街並みを形成しています。
もともと、大手法人のグラウンド跡地など、法人所有の土地が多く、再開発の合意形成が取りやすかったのも、武蔵小杉駅周辺の開発スピードが速かった要因だと思います。
次いで豊洲も徒歩4分から7分の駅近いマンションが多い。運河に囲まれたロケーションから徒歩16分以上の立地が存在しないのも豊洲ならではです。
首位の川崎は、バス便の供給も多く最も供給が多いのは徒歩12分から15分のゾーンです。東口側は駅前の商業ゾーンが既に出来上がっており駅近い開発は、ラゾーナ川崎をはじめとする西口側が活発です。川崎工業地帯も控え、バスルートが発達していることも、駅とおいゾーンの供給が多い理由です。供給戸数は多くても、その街固有の特徴があります。
価格帯別で見ると、大崎、田町、豊洲といった都心部は、6,000万円台中心であるのに対し、上位30駅のうち18駅までが3,000万円台中心。ある程度の供給戸数が売れるには、値頃感も必要だと言うことでしょう。
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