日本の財政は持続不可能な領域に近づいている
私たちは日本で日本円を使って生活しているわけですが、そのお金の大半は、銀行預金になっているでしょう。銀行は、そのお金を使って日本国債を買っているので、私たちの預金は国債に化けているわけです。銀行内部には「国債」という有価証券はあっても、「現金」はほとんどありません。
そしてもし、日本の国債がデフォルトして紙くずになると、どうなるか?
国債を大量に保有する日本の金融機関は倒産し、銀行の窓口に行っても、自分の預金は引き出せないということになります。
私たちの預金は国債になっている。国家が破綻したらどうなるのか? 今こそ自分のマネーを見直そう!
いくら一金融機関あたり1,000万円までの預金保護という法律があっても、取り付け騒ぎになれば、お金を取り戻すことはもはや不可能です。
なぜ日銀の国債引受けが法律で禁じられているのか?
日本はギリシャとは違い、国債のほとんどは国内で消化されているから大丈夫、という論調もあります。しかし、いくら国内消化といえども、資金は無限ではありません。
国民の金融資産が1400兆円に対し、すでに国債で1000兆円が使われていますから、残りはあと400兆円。
毎年40兆円ずつ国債発行で使っていけば、計算上は10年で資金が底をつき、国債を発行しても誰も買い手がいないということになります。
しかし、そういうギリギリの状況になるまで国債を持ち続ける金融機関はあるでしょうか?
もはやチキンレース同然ですが、このチキンレースの勝者は、最後までガマンした人ではなく、早く抜けた人だとみなわかっています。
日銀が国債を引き受ければいい、と主張している人もいますが、それは無限にお札を刷ることができるということを意味します。
何の裏づけもなく無限に供給される円・・・そのような通貨を信用する人はいるでしょうか。たとえば韓国ウォンや香港ドルが無制限にばらまかれるとしたら、あなたはそんな通貨を持ち、そんな国にお金を預けたいと思うでしょうか。
日本人は信用しても、海外の金融機関や機関投資家が信用するはずはありません。
日銀が引き受けたとたんに円の信任は崩れ、売られます。
だからこそ、世界中の国で、中央銀行が国債を引き受けることを法律で禁止しているのです。これは長い歴史の中で世界が学んだ教訓です。