自動車保険

自動車事故の対人・対物賠償リスクは数億円?!(2ページ目)

自動車事故で賠償額が最も大きくなるのが対人・対物事故。大きな事故になるとその金額は数億円にも及びます。自動車保険の最大の目的はこれら高額賠償に備えることです。今回は対人・対物賠償責任保険をリスクマップで検証してみます。

執筆者:石川 英彦

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自賠責保険だけでは不十分

原付も含め、自動車に乗る場合は自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)への加入が法律で義務付けられています。自賠責保険に加入していないと罰金が科せられたり免許停止処分になったりします。

自賠責保険の補償はあくまで「対人賠償」のみ。「対物賠償」はありません。また、ケガの場合は120万円、死亡の場合は3,000万円と上限が決まっています。先に紹介しました賠償事例を見ても自賠責保険だけでは十分な補償をカバーできないのは明らかで、対人・対物賠償責任保険への加入は必須といえるでしょう。

ちなみに、自賠責保険や対人・対物賠償責任保険は万が一の時に運転者が賠償金を支払えるように加入するわけですが、無免許運転や飲酒運転などの重大な過失があった場合でも“被害者を保護する”意味で保険金が支払われることを目的とした仕組みになっています。
 

修理費用と支払限度額の差額を補てんしてくれる特約とは?

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修理しても乗りたい、という相手の心情を汲むならこの特約がおすすめ

他人の車に衝突してしまった場合、対物賠償責任保険で補償しますが、支払限度は法律上の賠償責任である時価額(同じ年式や程度の中古価格程度)までです。車が古いと時価額より修理代の方が多くなってしまう場合があり、不足分を自己負担で相手に支払ったり、支払についてもめたりするなどのトラブルが起きることがあります。対物補償を「無制限」にしていたとしても限度は時価額までです。

なんだか納得がいかない感じがしますが、保険の支払い基準は「法律上」にあるので仕方ないですね。そこで登場したのが「対物超過修理費用補償特約」です(保険会社に呼び名が異なる)。修理費用が時価額を超えた場合にその差額を補てんしてくれます。多くの保険会社が50万円を限度としています。
 

対物超過修理費用補償特約って必要?

この特約は必要でしょうか?リスクで考えれば少額な対物事故は頻度が比較的高いと予想されます。しかし、修理金額が時価額を超える確率や補てんの限度額が50万円であることを考えると自分で支払っても……と考えられるかもしれません。そこでこの特約の保険料を調べてみると、条件や車種にもよりますが年間で数百円程度。現金でカバーできそうなリスクですが保険料がこれだけ安価であればこの特約を使ってもよいかもしれません。相手とのトラブルでイヤな思いをしなくても済むメリットもありますので安心です。
※本件ガイドが提供する記事は、特定の保険商品の募集を目的としたものではありません。また、掲載される情報の著作権は株式会社オールアバウトが有し、各国の著作権法、各種条約およびその他の法律で保護されています。
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