パティスリー KOSAI コサイ
植崎義明シェフは、水戸の「パティスリー コサイ」で、オーナーシェフの小齊俊史氏のもと、製造の現場を仕切るシェフパティシエとして活躍しています。「ジャパンケーキショー2007」の実技審査部門「トップ・オブ・パティシエ」での優勝をはじめ、多数のコンクールで入賞歴をもつ実力派です。そんな植崎シェフは、2011年10月、パリの「サロン・デュ・ショコラ」会場内で開催された、チョコレートの世界大会「ワールド チョコレート マスターズ 2011」に、日本代表選手として出場。
今回の大会テーマは、カカオの原産地として知られる南米の古代アステカ文明にちなみ、「カカオ-ケツァルコアトルからの贈り物」というものでした。「ケツァルコアトル」とは、アステカの神話に登場する神様の名前です。この難しいテーマに挑み、見事、準優勝を飾った植崎シェフ。優勝はオランダの選手でしたが、フランスのM.O.F.をはじめとする各国の審査員達からも、植崎シェフの技術の高さ、繊細さ、そしてアイデアあふれる植崎シェフの作品に感嘆の声が上がっていたそうです。
「自分の全てを出し尽くしてやったので、悔いはありません」とおっしゃる植崎シェフ。この大会を通じ学んだことを、今後の製菓業界や、いずれ世界を目指すであろう後輩達に伝えるべく、出場作品のボンボンショコラを、早速、製品化してくださいました。
ボンボンショコラ World Chocalate Masters 2011(5個入 1500円)
2月1日からのバレンタイン期間、「パティスリー コサイ」本店で販売される、植崎シェフの「ワールド チョコレート マスターズ 2011」出場・準優勝記念作品です。限定数につき、14日前に売り切れとなる場合もありますので、お早目にお問い合わせください。大会で課題となるボンボンショコラは、「モールド」と言われる型抜きタイプと、溶けたチョコレートで周りをコーティングする「手掛け」タイプの2種類があります。古代文明のエキゾチックな雰囲気を醸し出す神秘的なデザインや燻した金属のような色彩も目をひきますね。
一箱に2個入ったモールドタイプの「Moulded Pralines “Aztec”(アステカ)」(写真左)は、プロヴァンス産のラベンダー蜂蜜風味に少し塩を加えたなめらかなキャラメル。下の層は、奄美諸島・徳之島産の「ヤマシークニン」というシークヮーサーに似た野生の柑橘ピューレを使ったガナッシュです。ローストしたヘーゼルナッツを砕いた物を散りばめて香ばしさをプラスしています。
型抜きタイプは、ともすると、周囲のチョコレートが分厚くなってしまいがちですが、こちらは繊細で薄く、歯が当たると同時に、とろりとしたキャラメルが溢れ出す食感の心地よさも魅力です。徳之島に小齋シェフのお知り合いがいらして、現地で加工されている「ヤマシークニン」のピューレをご紹介いただいたとのこと。果汁だけでなく皮も入っていて、香りがよいものだそうです。ただ、この果実の名前は一般にあまり知られていないため、大会時には、世界中の審査員にもわかりやすいよう、「カラマンジー」と説明したそうです。
3個入った手掛けタイプの「Hand Dipped Pralines“Code”(コード=暗号)」(写真右)は、暗号のような刻印の入ったアステカの日時計をモチーフにしたデザインだそうです。木苺のパート・ド・フリュイの酸味に、ライチのやさしい甘さとエルダーフラワーシロップの繊細な香りを引き出した、なめらかなガナッシュとが交互に重なっています。はっきりした味で、食べやすくわかりやすい組み合わせだと感じられました。様々な国から審査員が集う国際コンクールの時には、複雑にしすぎず、食習慣や文化を越えて、誰にでもわかりやすい味を組み立てることも大切です。
「今回の結果には満足しているけれど、今後、さらに技術を磨き、いつか再び世界一を目指したい」という植崎シェフ。その、最高峰の味を体験できる貴重な機会です!
※ なお、配送についてですが、非常に繊細で手間のかかるボンボンショコラのため、通常の対応が難しいということ。店頭販売が原則となるそうですが、詳しくは店舗にお問い合わせください。
■パティスリー KOSAI
住所:茨城県水戸市元吉田町2238-6
電話:029-304-5560
営業時間:10:00~19:00
定休日:第二水曜
アクセス:水戸駅から徒歩約30分
地図:http://yahoo.jp/YTBnQK
http://www.p-kosai.com/
この特集記事では、4人の日本人ショコラティエをご紹介しましたが、日本のチョコレート文化はここ10年ほどで次第にレベルがアップし、今後、ますますの発展が期待されます。何よりもうれしいのは、日本で作られたものだと、その分、鮮度の高い、いい状態のチョコレートが手に入りやすいことですね。もちろん、海外で一流と呼ばれるショップの物も味わうことで、日本のチョコレートの質の高さも、よりはっきりわかるようになります。
バレンタインをきっかけに、国内外の様々なチョコレートを楽しんでください!
<2012年バレンタイン関連記事>
・バレンタインに贈りたいチョコレートランキング
・2012バレンタイン 注目の日本人ショコラティエ:前篇
・イルサンジェー(銀座)
・スイスの老舗ショコラトリー ブロンデル@銀座
・サロン・デュ・ショコラ 2012
・ケンズカフェ東京 特選ガトーショコラ