お互いを理解しようとするための時間を共有しよう
子どもや、自分たちの生き方や将来について、ご主人ともう少し話をしてほしいです。簡単なようで、これが簡単ではない。それでも、病院に行く前に、まずは勇気をもって話してほしいです。相手がどうだからとか、周囲がどうといったことでなく、自分がどう感じているのかを話してほしいんです。最初は話もかみ合わないし、沈黙が続くかもしれません。それでも、相手を批判したり、否定するのでなければ、空回りしていても、少しずつお互いがかみ合ってくるでしょう。そうしながら、自分はどう思っているのかを、素直に紡いでゆきませんか。ひとりで考えていても、堂々巡りで、迷いを吹っ切るだけの何かを得ることは難しい。そのまま、クリニックを受診しても、そこで様々な選択に迫られるときに、自分たちの気持ちがある程度でも定まっていなければ、そこから苦しみが生まれてきます。40を前にして不妊治療を受け、体外受精で妊娠したけれど、妊娠をしたら、自分は子どもがほしいわけではなく、妊娠がしたかっただけだということがわかり、中絶をした患者さんもいらっしゃった。
子どものことは、自分だけではなく、相手があることです。結論を出すために話すのではなく、お互いの不安や恐怖や孤独感を共有するために、自分の本心や生き方を探ってゆくために、お互いを少しでも理解しようとするために、勇気を出して、話し合ってみませんか。
まずは、お互いの違いを受け入れるところから
話せば話すほど、混乱してゆくかもしれません。でも、それでいいのです。夫婦であっても、違う2人です。育ってきた環境や場も違うので、違っていていいのです。それでも、そんな時間を共有してゆくことで、そして、お互いの違いを受け入れられるような雰囲気ができてきたとしたら、その時は自ずと方向性は見えてくるでしょう。あとは、その方向性にしたがって、エイって動いてみればいい、そこから不安がでてくれば、また同じことをくり返してゆく。それでいいと僕は思います編集部より:竹内正人先生に相談にのってもらいたい悩みをお持ちの方は、下記のフォームからメールをお寄せください。なお、すべての相談にお答することができない場合もありますが、あらかじめご了承ください。