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インディ500に学ぶ、100年続くモータースポーツ文化(4ページ目)

世界3大レースのひとつ「インディ500」の魅力をたっぷりとご紹介。ガイドが自ら体験した観戦記と共に、モータースポーツが100年愛され続ける理由も分析し、紹介します。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

ドライバーたちが街をパレード!

金曜日の「Carb Day」が終わると、翌日土曜日はマシンの走行は一切行われない。土曜日の早朝からは、スピードウェイのパドックでは全ドライバー出席のサイン会が行われる。驚いたことに、入場無料だ。
インディ

ファンのサインに応える日本人インディカードライバーの佐藤琢磨


長時間のサイン会が終わると、ドライバーたちは慌ただしく、インディアナポリスの街の中心地へと移動する。土曜日にもなると大観衆がスピードウェイに集まってくるので、警察がパトカーで先導し、クルマの波に逆行して街へと急ぐ。街に着いたら、インディ500名物「INDY500 FESTIVAL PARADE」の始まりだ!
パレード

「INDY500 FESTIVAL PARADE」はインディアナポリスのダウンタウンで開催される土曜日の恒例行事となっており、有料の見物席も設けられるが市民が自由に陣取って見ることができるエリアもある。インディアナポリスの人たちはこのパレードを心待ちにしており、子供たちやペットにチェッカーフラッグ柄の服を着させて家族でパレードを楽しむのが恒例だ。


インディ500

インディ500のパレード。チアリーダーもチェッカーフラッグ柄


パレード

パレードにはシンガーやコメディアン、スポーツ選手など有名人も多数参加し、地元のマーチングバンドや趣向をこらしたフロート(山車)も毎年注目の的になっている。フロートに子供たちと乗っているのは、過去のインディ500ウイナーのアル・アンサーJr.


もちろん、最後のメインはオープンカーに乗って登場する「インディ500」の全33人の出場ドライバーだ。グリッドの後ろから順に列ごとに登場し、観客に向かって手を振り、声援に応える。もちろん、見物する市民がみんな「インディ500」の出場選手を知っているわけではないが、どの選手に対しても大きな声援を送っていたのは印象的だった。

ダニカ

特に女性ドライバーのダニカ・パトリックや過去に「インディ500」で優勝経験があるドライバー、そしてポールポジションを獲得したドライバーに対してはひと際大きな声援が送られていた。観客の声援に応えるダニカ。


タグリアーニ

インディアナポリス市民やレースファンからの祝福を受けるポールポジション獲得ドライバーのアレックス・タグリアーニ


この「INDY500 FESTIVAL PARADE」は最初の「インディ500」開催から45年目の55年前に始まった歴史あるパレードで、街をあげてアメリカで最も有名なレースを盛り上げる企画だ。市内にはこのパレードのためのオフィスビルまであり、年に一度のパレードのために常駐で働いている人もいるほど力を入れている。こうしてインディアナポリスの街はアメリカ全土からやってくるレースファンを歓迎する。

パレード

インディ500パレードのオフィスビル。パレードのチケットもここで購入できる。


次のページでは、レースファンに驚くほど寛容なインディアナポリスの人々のことをご紹介。

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