SUPER GTのクラス分け GT500とGT300

GT500クラスがスタートした後、一斉にスタートを切るGT300クラスのマシン達。予選で仮にGT500よりも速いタイムを出してもGT500に混じってスタートすることはない。(写真:SUPER GT.net)
SUPER GTは世界中の様々なスポーツカーが同じ土俵で戦うという世界でも稀にみる特異な形態を持ったレースだ。ベース車両の車格も排気量も異なる車がコース上で抜きつ抜かれつのバトルを展開する。こんな夢のようなレースは世界中どこを探してもSUPER GTだけだ。

SUPER GTに出場するマシンは【GT500】と【GT300】の2つのクラスに分かれてレースを戦っている。クラス名称はGT500が約500馬力、GT300が約300馬力という風にそれぞれエンジンパワーを空気取り入れ口に装着されたエアリストリクター(吸気制限装置)によって調整していることに由来する。このエアリストリクターの径(空気が通る穴の大きさ)は排気量やターボやスーパーチャージャーといった過給器の有無によって決められ、パワーがほぼ同一になるように調整されているのだ。

2006年のSUPER GTでは【GT500】にはトヨタ(レクサス)、ホンダ、ニッサンのフラッグシップマシンが参戦し、それぞれほぼ準ワークス体制が敷かれた状態で熾烈な戦いが展開されている。GT500の戦いについては、先に書いたPokka1000kmの特集記事をご参考にして頂きたい。

一方で【GT300】クラスには国内外の様々なスポーツカーが参戦し、豊富なラインナップでファンの目を楽しませている。元々GT300は自動車メーカーのワークスチームではなく、プライベート参戦するチームに門戸を開く目的で設立されたクラスであり、様々な車種のレース参戦に道を開いている。車種の多さではGT500よりもGT300の方が魅力的であり、レースを観戦するファンは2つのクラスの設定により、同時に2つの楽しみをもってレースの行方を見守ることができる。これがSUPER GTの人気の大きな要素となっている。

GT300に転向し、速さを見せるランボルギーニ

日本のランボルギーニ・オーナー達の夢を乗せて走るGT300のランボルギーニ・ムルシエラゴ
サーキットで一際甲高いV型12気筒のエンジンサウンドを奏でて走るのが、イタリアのスーパーカー、ランボルギーニ・ムルシエラゴだ。日本のランボルギーニ・オーナーズクラブ(JLOC)が走らせるこのマシンは昨年までGT500クラスに参戦し続けていた。本来なら国産車は性能的にムルシエラゴより劣るはずなのだが、改造範囲が非常に広く、日本の自動車メーカーが威信をかけてマシン開発を行っているGT500クラスにおいて、ランボルギーニ・ムルシエラゴは国産マシンに大きく水を空けられ常に最後尾付近を走らざるをえなかった。

上級クラスであるGT500への参戦にコダワリを見せてきたこのチームだが、今年は意を決してGT300クラスへと転向した。公道を走るレーシングカーといった趣のランボルギーニ・ムルシエラゴはその素性の良さもあり、早速開幕戦の鈴鹿で見事な優勝を飾っている。これはムルシエラゴにとって国際レース初の優勝であり、チームスタッフとオーナー達は栄誉ある勝利とその美酒に酔いしれた。

軽快にサーキットを走行するランボルギーニ・ムルシエラゴの姿はとてもカッコよく、例え後方を走っていようとも前を通るたびに目をやってしまう抜群の存在感がある。官能的なV型12気筒のサウンドはかつてのF1マシンを連想させるものであり、走っているのを見ているだけでも気持ちいい。