こちらは女子栄養大学の学生食堂のメニューです!
タニタさんは体脂肪計で高いシェアを誇る会社ですが、そうしたハードを売るだけでなく、これからはソフトとしてサービスも提供されるのだそう。それらが都会の働く人たちに支持されるという昨今の流れは、現代の健康志向が単なるブームだけではないことを予感させられるもので、非常に興味深いです。
2012年1月11日にオープンした「丸の内タニタ食堂」では、1食あたり500kcalで塩分3g、野菜の量が一食あたり約200g摂れるという定食を、毎日日替わりで2種類提供しているほか、管理栄養士による栄養指導などのサービスもあるそうです。丸の内のオフィスワーカーにとっては、メタボゼロを目指せるチャンスですね。
タニタさんだけでなく、管理栄養士を育成している女子栄養大学(豊島区、埼玉県坂戸市)の学生食堂に関する本も人気で、メディアでとりあげられる機会も増えました。
さて、これら社員食堂系メニューは本当にダイエットができるのか、できるとしたら何が効く要素なのか、などなど、早速解説していきたいと思います!
タニタ食堂は低カロリー定食
タニタ食堂は野菜がたっぷり
食事は良く噛んで食べる
社員食堂がない人もこんな工夫を
低カロリーである
丸の内タニタ社員食堂では、1食あたり500kcalを基準にメニュー作成がされています。一般的なオフィス街の定食のカロリーはというと、700~1000kcal。揚げ物などではそれ以上あることが多いと考えられます。デスクワークの成人にとっては、ランチとしてはカロリーオーバーです。ごはんの量が選べるというタニタ食堂は、それらと比べてもダンゼン低カロリー。ごはんの量がきちんと計量でき、油脂もひかえめで食事全体の量がコントロールされているため、ダイエットに適していると考えられます。
■オフィス街でよく食べられる定食類のカロリー例(ガイド作成)
鮭塩焼き定食……550kcal
刺身定食……600kcal
唐揚げ定食……750kcal
アジフライ定食……850kcal
豚のしょうが焼き定食……800kcal
ハンバーグ定食……800kcal
とんかつ定食……1100kcal
野菜の量が多い
カロリー以上にポイントになるのがこちらです。成人一人あたり野菜を1日に350g食べることが推奨されていますが、これがなかなか難しいものなんです。350gの野菜といえば、野菜料理にして1日4~5皿は食べなくてはなりません。忙しい日々を送っている人には毎日クリアするのは難しいでしょう。タニタさんの食堂では、一食あたりおおよそ200gと多くの野菜を使っているのだそうです。これは、一般外食店ではなかなかできない献立。野菜は仕込みに手間がかかるし価格が安定しない、と外食産業では取り扱いの難しい食材のひとつ。それでいて主菜にならない素材であるため、一般外食ではたくさんの量の野菜を使うことはできないという背景もあるでしょう。
野菜は低カロリーの素材であり、血糖値を抑える(体脂肪合成を抑える)食物繊維が豊富、炭水化物や脂肪を初めとした栄養素を代謝させるためにも不可欠な食材なのです。健康を意識しダイエットや美容を心がける人なら、今の生活を何らか改善してでも、日々の野菜は優先的に食べていただきたいほどです。
良く噛むことができる
ダイエットにNGなのは、早食いの習慣。特に男性は昼食でも10分程度で済ましてしまう方も少なくない様子。その献立は、主に麺類やカレーなどワンディッシュのメニューが多いでしょう。早く食べて効率良く時間を使いたいというのも大事ですが、永い目でみたら健康に結びつく食事習慣としては、早食いは避けてほしいもの。早食いの習慣は肥満と関連があり、満腹感や代謝の視点から、太る人ほど早食いであるという関係がわかってきています。一口ごとに良くかみ、仕事の合間の食事だとしても、20分はかけるようにしてみてください。
タニタ食堂のメニューには、良く噛む工夫がされています。定食方式なので、流し込むように食べられるワンディッシュメニューとは違います。また、野菜などの調理に工夫があり、噛み応えを重視した料理が多いことが特徴だと考えられます。
タニタ社食風ランチのコツ
ヘルシーな社員食堂のメリットはわかったけれど、私には身近にそんな食事ができる環境がない、という方は、普段の食事にこんな工夫をしてみてはいかがでしょうか。理屈としては同じ効果が得られます。■ごはんの量を計量する
お弁当の方はふだん食べているごはん量をはかりましょう。コンビニおにぎりではおおよそ100g程度なので、ごはんだけで168kcalです。ランチに500kcal程度を目指す方は、ごはんの量は100~150g程度におさえたいところ。定食屋さんでは250g程度の盛り付けも多いので、半分の量にしてもらうようにあらかじめお店の方にお願いしておきましょう。
■野菜を多く食べる
このダイエットの要になるのが野菜です。ランチでも野菜200gを食べることを目指し、野菜のおかずを2品取り入れるようにしてください。野菜の炒め物1品と、煮物1品というように、小鉢量で2品を目標にすると約200gになります。難しいときは野菜ジュースにしたり、サラダを加えたり、そのまま食べられるめかぶなどの海藻料理を取り入れたりすると良いですよ。
■油は計量して使う
普段なにげなくフライパンに流しいれて調理をしている、植物油。大さじ1杯で100kcal程度あるので、計って入れることでカロリーコントロールにプラスになるでしょう。また、一食の調理には、炒め物・揚げ物はどちらか1品にして、煮物・お浸しなどと上手に組み合わせましょう。同じ調理方法のものを重複させるより、違うものをいくつか調理するほうが栄養学的にはプラス要素が多いものです。
■一汁一菜を目指す
食事にはかならず野菜などの具入り汁物をつけて、複数の料理を食べるように心がけましょう。ワンプレート、ワンディッシュではなく、器の違う個々の料理にするのがコツ。こうすることで、野菜の量も増やせるメリットがあり、早食いを防止する効果もあります。
■良く噛んで食べる
早食いは良くないと前述したとおりで、食事は少なくとも20分かけて食べるように心がけてみてください。ご自分でお弁当などを調理して持参する場合は、特に野菜類の調理方法を気持ち「固め」に仕上げてください。ブロッコリーなども茹ですぎず、噛み応えを残すのがコツ。また、カット方法を小さくしすぎないで、少しだけ大き目の一口大にすると良いですよ。こうすることで自然と噛む回数を増やすことができます。