日本犬には日本犬の独特の用語があったり、その犬種だけで使われる用語もあります。そういった言葉を羅列してみるだけでも、犬という動物がいかに種類が豊富で、かつ複雑なのかがよくわかりますね。


犬の体-頭部

ストップ/額段

前頭部と口吻部との境を「ストップ」または「額段」と言う。

額溝(がくこう)/ファロー(Furrow)
おでこ部分にある縦溝のこと。
額段(がくだん)/ストップ(Stop)
前頭部と口吻部との境目にあたる部分。
クラウン(Crown)
頭のてっぺん、つまり頭頂部のこと。
クリーン・ヘッド(Clean Head)
皺などもなく、すっきりとした頭部のこと。


犬の体-目

杏核形の目(きょうかくがたのめ)/アーモンド・アイ(Almond Eye)
目の両端が少し尖ったような感じで、アーモンドのような形をした目のこと。シェットランド・シープドッグやシベリアン・ハスキー、ドーベルマン・ピンシャーなどはこの目の形をもつ。


犬の体-耳

キャンドル・フレーム・イア

トイ・マンチェスター・テリア(イングリッシュ・トイ・テリア)の耳はロウソクの炎の形に似ていることから「キャンドル・フレーム・イア」と呼ばれる。

簪耳(かんざしみみ)
日本犬に使われる言葉で、耳が外側に開いてしまっている形を意味する。
キャンドル・フレーム・イア(Candle Flame Ear)
ロウソクの炎の形に似た耳のこと。たとえば、トイ・マンチェスター・テリア(イングリッシュ・トリ・テリア)の耳。
クロップド・イア(Cropped Ear)
断耳してある耳のこと。
コウモリ耳/バット・イア(Bat Ear)
フレンチ・ブルドッグに代表されるコウモリのつばさに似た立ち耳の形。


犬の体-鼻

嗅覚ハウンド/セント・ハウンド(Scent Hound)
嗅覚に優れたハウンド種のこと。ハウンド種はセント・ハウンドと視覚に優れたサイト・ハウンド(Sight Hound)とに分けることができる。前者の代表的な犬種はブラッド・ハウンド、ダックスフンド、ビーグルなど。後者ではアフガン・ハウンド、グレーハウンド、サルーキなどがいる。


犬の体-口吻

過剰歯(かじょうし)
正常な歯の数(永久歯42本)より多いもの。
鴨嘴(かもはし)
日本犬に使われる言葉で、口吻部が薄く、まるで嘴のように見えるものを指す。
鋏状咬合(きょうじょうこうごう/はさみじょうこうごう)/シザーズ・バイト(Scissors Bite)
上顎の切歯が下顎の切歯の前にぴったり重なる歯の噛み合わせのこと。ちょうど鋏の刃が重なるような感じからこう呼ばれる。
グロウリング(Growling)
ウゥ~という唸り声のこと。
欠歯(けっし)
先天的に正常な歯の数を欠くもの。わりと欠歯が見られる犬種としてはチャイニーズ・クレステッド・ドッグや小型犬、短吻種などがある。
口角(こうかく)
唇の端。
口吻(こうふん)/マズル(Muzzle)
ストップから鼻先までの前顔部のこと。


犬の体-首~胸~胴

カープ・バック(Carp Back)/鯉背(こいせ)/ローチ・バック(Roach Back)
背中が鯉のように滑らかにカーブした背中。
キ甲/ウィザース(Withers)
背中側の首の付け根あたり、肩部分で一番高いところ。犬の体高はここから地面までの直線を測る。
キャメル・バック(Camel Back)
ラクダのように背中がカーブしたものを指す。一見、猫背のように見える。
胸深(きょうしん)
キ甲から胸の下までを直線で見た時の長さ、深さ。
グース・ネック(Goose Neck)
ガチョウの首のように長い首。
グース・ランプ(Goose Rump)
お尻の部分が極端に傾斜しているもの。
首(頸)ぬけ
長く、すらりとした首を「首ぬけがいい」と表現する。つまり、首の長さやすっきり度、状態のよさを表現する時に使う言葉。
クリーン・ネック(Clean Neck)/ドライ・ネック(Dry Neck)
弛みや皺などのないすっきりとした首のこと。
クループ(Croup)
お尻の部分。
クロッディ(Cloddy)
体高が低く、胴周りが太くて、がっしりと重々しい印象を与える体つきのこと。
肛門腺(こうもんせん)/肛門嚢(こうもんのう)
肛門を正面から見た時、時計で言うと4時と8時くらいのところにその犬固有の独特で臭い分泌液を出す臭腺がある。袋状の肛門嚢と呼ばれる中に分泌液が溜まっていて、便を出す時や体に瞬間的に力が加わった時などに排泄されるのが通常であるが、中には分泌液を出しにくい体質のコもいたり、加齢や体調不良によって出しにくくなっていることもあるので、シャンプーをする時など定期的に絞ってあげるのがベスト。これが溜まってしまうと炎症を起こし、ひどい場合は皮膚が裂けて出血するようなこともあるので、犬がお尻を気にしたり、お尻を地面にこすりつけるような仕草が見られた場合には注意を。
コビー(Cobby)
胴の長さが短めで、引き締まった印象を与える体つき。たとえば、バグや狆など。


犬の体-脚

カウ・ホック(Cow Hock)/牛状肢勢(ぎゅうじょうしせい)/X状肢勢(エックスじょうしせい)
後脚を後方から見た時、飛節が内側に近接し、足先は外側に向いてしまっている脚の姿勢。牛の後脚に似ていることからこう呼ばれる。
紙足(かみあし)/ペーパー・フット(Paper Foot)
平べったく薄い足指のこと。
キャット・フット(Cat Foot)/猫足
足先が猫のように引き締まって、丸くアーチした足のこと。
狭踏肢勢(きょうとうしせい)
前脚では下部にいくほど、後脚では飛節より下が互いに近接してしまっている脚の姿勢。
クロウ(Claw)
爪。
蹴爪(けづめ)/狼爪(ろうそう)/デュークロー(Dewclaw)
足の内側の少し高いところにある親指にあたる爪のこと。
コミューナル・パッド(Communal Pad)
掌球(足の裏にあるパッドの中でも丸三角形をした一番大きな部分)のこと。


犬の体-尾

鈎尾(かぎお)/フック・テイル(Hook Tail)
垂れた尾で、先端がまるでフックのように上方に曲がったものを指す。
堅巻(かたまき)
日本犬に対して使われる言葉で、巻き尾の中でも背中に向かって堅く巻いた尾のことを言う。
鎌尾(かまお)/シックル・テイル(Sickle Tail)
尾を背中に向けて鎌の刃のような形、または半月形に上げた形。
カールド・テイル(Curled Tail)/巻き尾(まきお)
尾が背中の方に向かってくるりと巻いているものを指す。代表的なのは秋田犬や柴犬などの日本犬。
キンク・テイル(Kink Tail)
根元からねじれ曲がった短い尾のこと。
クックドアップ・テイル(Cocked Up Tail)
背線に対して上方に真っ直ぐ上げた直立尾。
クランク・テイル(Crank Tail)/屈曲尾(くっきょくび)
尾が下向きで、かつ先端がやや上方に向いた形を言う。
ゲイ・テイル(Gay Tail)
上方に向かって真っ直ぐに上がった尾。たとえばスコティッシュ・テリアやウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアなど。
剣状尾(けんじょうお)/セイバー(サーベル)・テイル(Saber Tail)
日本犬のように背中に向かって上げた尾が剣のように見えるもの(太刀尾)と、ラブラドールレトリーバーのように下げた尾が剣のように見えるものとがある。


犬の体-歩き方

ギャロップ(Gallop)/襲歩(しゅうほ)
犬が全力で走っている時の歩様。
キャンター(Canter)
ギャロップよりは遅く、トロットよりは速い走り方。犬にとってはわりと楽な歩様。
クラビング(Crabbing)
進行方向に対して体が横向きになる、またはカニのように進む状態を示す。
クリッピング・アクション(Clipping Action)
歩く、または走る時に後ろ足が前足にぶつかってしまう状態を指す。
クロッシング・オーバー(Crossing Over)/交差歩様(こうさほよう)
前脚、または後脚のどれかが交差してしまう歩様。
ゲート(Gait)
歩様のこと。

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