“無欲”=“お金が貯まる”とは限らない

あなたが“貯金”をする意味は何ですか?

無欲が貯金を殖やすとは限らない。ほしいものに目標があるほうが、お金を貯めることに意義を感じられるかも。

「若者が無欲になった」という話は、ずいぶん前から話題になっていますね。確かに私の周りでも、車をはじめとする高級品に無関心な若者は少なくないようです。私と同じかさらに上の世代はマイカー志向が強く、多少無理をしてでも車を持ちたいと考える人が多かったように思います。
アンチマイカーを唱えるイマドキの若者の意見は、とても堅実です。都会暮らしなら電車でどこへでも行けるし、ガソリン代に車検代、保険代といった諸々の維持費を考えると、金食い虫の車なんかないほうがいい。確かに正論ですね。

同様に、海外旅行離れや高級ブランド離れも著しいようです。海外旅行にかけるお金、トラブルの危険性、言葉の問題を思えば、国内旅行のほうが安心で安くて楽しいですものね。また、バッグ一つで何十万円もするような高級ブランドを持つよりも、全身をファストファッションで無難にまとめるほうが、間違いないと思えますよね。

でも、無欲は貯金につながるのでしょうか?実はそうとも限りません。
ほしいものや行きたい場所、食べたいもの、叶えたい夢があり、そのために努力している人のほうが、むしろ活力を持って貯金生活を続けられることも多いからです。
今は何もないけれど、いつか何かを始めるためにお金を貯めている……ということならいいのですが、無欲である以上に無気力で、定職にもつかないまま「最低限食いつなげるお金があればいい」と考えているようなタイプは、いつまでたっても貯金できないでしょう。

貯金は“自分の人生をよりよく描くための道具”

無理はしない、多くは望まない。だからお金もかからない。こんな省コスト型ライフスタイルでも、やっぱり貯金は必要です。貯金がなくても良いということはありません。
自分や家族が健康で、収入が安定しているときはいいですが、ある日突然、病気やケガに見舞われたら一大事。入院するとなれば、ある程度まとまったお金が必要になります。
また、この不況の時代ですから、いつ会社が潰れて職を失うとも限りません。経営者が夜逃げして退職金も支払われない、といった最悪のケースの場合、貯金がないと、いきなり今日から食うに困る、という悲惨な状況になりかねないのです。

以上は、貯金がない場合に想定できる具体的な弊害ですが、デメリットばかりを見るのは好きではないので、逆に貯金をした場合のメリットも考えてみましょう。
第一に言えるのは、やはり生活が安定することです。生活が安定すれば、心にゆとりができるでしょう。何かあるたび、真っ先にお金のことを気にしなければならない人生は疲れます。たとえば、親しい友人から結婚の報告をもらったとき、祝福の気持ちより先に、ご祝儀の工面を思ってゲンナリするのはイヤなものですよね。

さらに、貯金があれば「今だけ何とかなればいい」という刹那的な考え方からも脱却できます。未来に希望が持て、お金がないという理由で夢や目標をあきらめずにすむようになるのです。そうして、なりたい自分に一歩ずつ近づいていくことは、人生のステップアップにつながります。このように、貯金は“自分の人生をよりよく描くための道具”なのです。貯金がない人生より、ある人生のほうが何倍も面白そうだと思いませんか?