お金を貯める体質改善ノート/お金を貯める体質改善ノート

あなたが“貯金”をする意味は何ですか?(2ページ目)

貯金は何のためにするのでしょうか?無欲であればお金が貯まる、そういうわけでもないようです。また、貯金がないと、今後予測しえない事態が起きたり、自分の夢をかなえたいときに十分対応できないことが起こりそう。あなたが貯金をするのはなぜですか?

横山 光昭

執筆者:横山 光昭

お金を貯める体質改善ノートガイド

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貯金があったから、夢に向かって踏み出せた

あなたが“貯金”をする意味は何ですか?

家族のために、自分の目標のために、万が一に備えた貯金を作ることはとても大事。

私自身も、貯金がなくて苦しんだ経験を持つ者です。
以前は、お金との付き合い方が本当に下手な劣等生でした。今のFPの仕事を軌道に乗せるまでに、1年ほど無収入の期間があったのです。貯金はすぐさま底をつき、借金で生活費を補う羽目になりました。それでも、私は何とかFPとしてやっていくために、もがき続けるしかありませんでした。

ご存じない方のため、FP(ファイナンシャル・プランナー)についてご説明しましょう。
FPはお金の専門家。資産運用や複雑な金融商品に関するアドバイスをするのが主な仕事です。ただ、FPに運用の相談をするのは、すでにお金をたくさん持っている人がほとんど。
赤字家計でお金の知識がない人を相手にするFPは、私の知る限り皆無でした。そこで私は、むしろそんな人達にお金の話を伝えるFPになりたいと思いました。しかし、いかんせん前例がないものですから、すぐさまビジネスとして成り立たせるのは難しかったのです。

うまく歯車が噛み合いだすまでに、時間がかかることはわかっていました。それでも、半年は無収入でやっていける程度の貯金があったため、なんとかスタートを切ることはできました。しかし、現実は思った以上に厳しく、結果は借金暮らしに。
立派なことを口にしながら、自分1人が食べる収入すら得られず、家族を大変不安な目に遭わせてしまいました。FPの仕事をするという夢を達成する前に、経済的な体力は限界に近づきました。このとき「自らの可能性を広げるために、貯金はとても重要だ」と痛感したのです。とはいえ、その前に半年分の貯金すらなかったら夢に向かって歩み出すことすらできなかったでしょう。その後、じきに仕事が上向いたので結果オーライでしたが、当時わずかながらも貯金があったことに、今はとても感謝しています。

貯金はいくら必要?できれば月収の1年分を目標に。

貯金をする意味について、少しはピンと来ていただけたでしょうか。
ところで、貯金といっても1万円と100万円では大きく意味合いが違いますよね。私達は一体どれだけ貯金をしていればいいのでしょう。さまざまな見解がありますし、正解はない問題ですが、私は月収の6ヵ月分~1年分蓄えていれば、まずは安心だと考えています。
これは、不意のリストラなどで収入が途絶えてしまったとき、焦らずに暮らしていける生活費を想定した金額です。失業保険が給付されるとはいえ、それだけでは必ず不足が出るので、なるべくなら1年分は確保したいところ。
もちろん、月収や家族構成は人それぞれなので一概には言えませんが、これを一応の目安と考えておけば間違いありません。月収20万円なら、240万円ということになりますね。

それでは世の中の人は、実際にどれだけ貯金をしているのでしょう。
総務省のデータによると、2009年度の「世帯あたりの平均貯蓄額は1638万円」だといいます。「こんなに多いの!?」とギョッとされたでしょうか?
これはお金持ちの影響で平均貯蓄額が高くなっているもので、集計世帯全体の約3分の2はこの平均額を下回っています。貯蓄額が100万円未満の世帯も1割強いるのです。

また、世代の差もあるでしょう。同じく総務省のデータで、2人以上の世帯の世帯主の年齢別貯蓄額を見ると、25~29歳の平均貯蓄現在高は約374万円、30~34歳は約527万円、35~39歳は748万円です。これが50~54歳になると約1436万円になり、60~64歳には約2234万円にもなるのです。

さて、あなたの貯金額は世代の平均と比べてどうでしょうか?
多ければ良く、少なければ悪い、というわけではありませんが、貯金を意識するきっかけの一つになれば、と思い、データを載せてみました。前言と矛盾するようですが、他人よりも少ない、マズイ、という思いは、貯金をスタートする絶好の後押しになります。
理由は何でもいいので、とにかく始めることが肝心です。

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