1月26日は1ドア2ロックの日

バール等で強引にこじ破られる!

バール等で強引にこじ破られる!

「侵入方法はね、こじ破り。バールか何かで強引にドアをこじ開けられた。だからここがゆがんでる。この錠前は10年以上前のだな。手前の部屋とかは2ロックなのに、ここだけ錠前が1個だからなぁ。一番奥まったところだしね。もう最近はね、ピッキングなんて悠長な手口はあまりないんですよ。こんなふうに荒っぽい手口でバーンと開けちゃうから」

捜査官はそう言った。有紀は先夜の麻希との会話を思い出していた。「1ドア2ロック」の話をしていたではないか。隣の家が2ロックなのにウチだけが1ロックならば、泥棒は迷わずウチを選んだのだろう。そして、25日の給料日後という日。よりによっていつもより現金を多く自宅に置いていたその日に泥棒に入られるなんて……。

写真を撮ったり、一通り調べをしてから警察官らは引き上げていった。その前に友人の麻希にも電話をして、深夜にもかかわらず来てもらっていた。泥棒に入られたその夜に、一人で眠ることはとても出来そうになかったからだ。

麻希もショックを受けたようだった。

「今日、昼のワイドショーで見たんだけど、1月26日は1ドア2ロックの日だって。それで、有紀のところは1ロックだな、大丈夫かな、ってちょうど思っていたところだったんだよね」
「私もこの間、麻希に言われたことを思い出していた。隣が2ロックなのにウチは1ロックだって。それより、パソコンだよ~。メールとか写真とかもう戻ってこないのかな。あーどうしよう~~」
「うーん。難しいかも」

「夜が明けたら、実家にも連絡しよう。管理人にも知らせて、大家さんにも話さなくちゃ。これってドアを新しいのにするのかなぁ」
「でもさ、家にいる時でなくてよかったよ。刃物で殺されたりしてたら…」
「ただの侵入被害で済んでよかったってことか。でもやだ。引越したばかりだけど、また引越そうかな」
「お金がかかるよ」
「お金の問題じゃないかも~」

結局、二人ともその夜は眠れずに過ごして、翌日勤務を休んだ。長い夜だった。「1月26日は1ドア2ロックの日」。有紀も麻希も一生忘れられない日になった。
 




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