iPS細胞は深窓の令嬢。悪にそまると家出する?
再生医療には夢と未来が・・・
悪い連中をたとえるなら発癌ウイルス。ヘルペス科のEBウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルスなどが代表です。
ヘルペス科ウイルスが生物多様性の中で溺れなかった(存続しえた)のは創造主がヒトを創造したからです。ヒトはヘルペス科のウイルスからするとノアの箱舟的な生命体なのです。少なくともiPS細胞はヘルペス科から、誘いを受けます。ヘルペス科のウイルスの中には、カポジ肉腫の原因ウイルスもあります。
悪い連中と付き合いが始まると、純真だったiPS細胞もグレる=腫瘍化する可能性があるという事です。最悪、「こんな家、嫌!」と叫んで家出=癌化して転移します。特に血液系の細胞を標的とするEBウイルスを考慮すると、血液系の細胞から治療のためのiPS細胞を作成するのは避けた方が賢明です。
iPS細胞はパンドラの箱の鍵!
希望は飛び出してくるのでしょうか?
ヒトの遺伝情報には、眠りの森の美女より長い長い年月眠っているレトロウイルスの遺伝情報が乗っています。レトロウイルスって何?という疑問があるのは当然です。成人T細胞性白血病、AIDSが代表的なヒトのレトロウイルスです。現在のヒトが存在する前に眠り森の美女でいう所の十三番目の魔女がレトロウイルスを封印してしまいました。自然界では封印は解かれていません。腫瘍化した時に、遺伝子の配列が変わる(例:塩基配列がずれる)と封印が解かれる可能性があります。iPS細胞を使った医療はパンドラの箱をあける可能性があります。
iPS細胞は希望
iPS細胞の臨床応用を急ぐ前に、現在の企業会計、株主対策からは無理な事は理解していますが、官民一体ではなくて民間でiPS細胞の基礎的研究を強力に進めるべきです。民で研究を進めた方が研究成果があがる可能性が高く、一方、官の研究は書類作成に労力が割かれるからです。現状では日本のiPS細胞研究者は、近未来に日本以外から確実にヘッドハンティングされると予想しています。研究者にとって重要なのは研究体制(研究環境)です。ギリシア神話では、バンドラの箱から最後に飛び出したのは“希望”。
iPS細胞が、人類にとってのパンドラの箱になる日はくるのでしょうか??