ゲームメディアの陳腐化

ゲーム雑誌の図

実際、かなり前からゲーム専門誌などは、苦戦を強いられている状況があります。

ニンテンドーダイレクトのように、ゲームメーカーが直接情報発信をするようになった背景には、とにもかくにもWeb環境の発展が挙げられます。ニンテンドーダイレクトに限らず、企業がWebで自社サイトを展開するようになってから、ユーザーとの直接的なコミュニケーションは始まっています。それは同時に、企業から情報をもらって発信するゲームメディアの陳腐化を意味してもいました。

実際、ゲームメディアはメーカーから情報提供を受け、それに沿って記事制作をしているため、情報角度でメーカー自身を上回ることがほぼできません。ニンテンドーダイレクトのように、プラットフォームホルダーが他社の商品も含めて企業間の関係性を使って情報収集を行い、企業のトップからそれを発信するような手法を行なうと、ゲームメディアにできることはその一度発信された情報の後追いということになります。

結局のところ、最も新鮮な情報を、最も正確に伝えられるのは誰かといえば、メーカー自身であることは疑いようもなく、メーカーから情報を得ている限りはメディアの陳腐化は進んでいくばかりなのかもしれません。

ゲーム業界に興味を持つユーザー達

ニンテンドー3DSの図

2011年前半、確かにニンテンドー3DSやWiiは不調でした

また、ゲームユーザーの興味にも変化がでてきました。2011年12月27日に行われた2回目のニンテンドーダイレクト。冒頭、岩田社長は2011年前半の任天堂プラットフォームにおいて、有力タイトルの発売間隔が空き、勢いが落ちたことを説明しました。よく考えると、これは大変に奇妙なことです。

通常、メーカーはプラットフォーム運営における戦略ミスをわざわざユーザーに伝えたりはしません。それは例えばゲーム流通に対してであるとか、株主に対してであるとか、とにかく業界の内側に行なうことです。ユーザーには巻き返しの策だけを、つまり、これからたくさんゲームが発売されるよ、というような商品情報だけを伝えるのが普通でしょう。しかし、メーカーの販売戦略にも興味があるような濃いゲームユーザーがいることも事実です。それこそWebの発達により、様々な情報を誰でも得ることができるようになったことで、業界に興味を持つユーザーが増えてきた印象があります。あるいは、元々いて顕在化しただけかもしれませんが。

とにかくそういった状況に対し、プラットフォームの運営戦略のような話を含めた詳しい情報をユーザーに伝えていくというのは、大変にデリケートな話です。ミスを自ら認め、伝えることは信頼を得る有効な手法ですが、伝え方には細心の注意がいります。そういったデリケートなコミュニケーションのコントロールが求められた時、やはり1番確実なのは直接、まさにダイレクトに伝えることで、メーカーからするとメディアが必要と無くなっているのかもしれません。

では、ゲームメディアはもういらない存在になってしまうのでしょうか?