あのFCバルセロナもラテンアメリカ出身の選手は多い
ブラジル、アルゼンチンを筆頭に独特の強さを誇るラテンアメリカ各国
なかでも南米は、サッカー人気が高い。ヨーロッパからの移民によって持ち込まれ、ボールひとつあれば誰とでも、どこでも楽しめることのできる手軽さによって、広く深く浸透していった。
12月中旬に日本で開催されたクラブW杯は、FCバルセロナ(スペイン)の優勝で幕を閉じた。ヨーロッパのクラブが世界の頂点に輝いたわけだが、最優秀選手に輝いたメッシはアルゼンチン生まれだ。準決勝で2得点したアドリアーノ、決勝戦に先発したダニ・アウヴェスとチアゴは、いずれもブラジル生まれである。さらに加えて、チリからやってきた入団1年目のアレクシス・サンチャスも、レギュラーを確保する勢いだ。世界のクラブシーンを席巻するバルセロナにおいても、南米のプレーヤーは絶大な存在感を示している。
南米の人たちがサッカーに惹き付けられた何よりの理由は、この競技が持つ意外性と創造性にある。ボールが吸いつくようなドリブルや、対戦相手をあざ笑うかのようなスルーパスは、南米サッカーの最大の魅力だ。3バックか4バックかといったシステムが軽視されるわけではないものの、目の前の敵をいかに抜き去るかという1対1の勝負にこそ、南米サッカーの魅力が凝縮されている。
つまるところ、ラテンアメリカが強いのは、陽気な南米の気質に由来するといえるかもしれない。「楽しくなければサッカーじゃない」というのが、彼らの合言葉なのだ。そのため、単に抜き去るだけでなく、意外性豊かなテクニックを駆使できるか、誰にもマネのできないステップを刻めるかといった創造性を大切にする。相手の良さを潰すサッカーや、守ってばかりのサッカーは、ラテンアメリカには馴染まない。