住まいのプロが提案「イエコト」/プロが提案!住まいのヒント

避難先で手軽にできる、真冬の寒さを乗り切るコツ(2ページ目)

東日本大震災の影響で全国に避難している人の数は約33万5千人、このうち仮設住宅や借り上げ住宅等に入居済みの方は約31万7千人。これから冬本番を迎える前に、避難先でも手軽にできる、リフォーム不要で実用的な暖房術やコツをまとめてご紹介します。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


窓の断熱効果を高める

プチプチ使用例。結露も抑えてくれる。

プチプチ使用例。窓は半透明になるが明るさは損なわない。結露も抑えてくれる。

もしお住まいの窓ガラスに結露がびっちりつくようであれば、断熱性の低い「単板ガラス」仕様になっていると思われます。そのままだとそこから熱がバンバン逃げ、冷気が流れ込んできます。

そこでお手軽なのが「プチプチ」「エアチャップ」「エアパック」「エアクッション」「エアパッキン」などと呼ばれる気泡緩衝材を窓に貼る方法です。

荷物の梱包用に使われていたものを再利用して両面テープで窓に貼っても良いですし、窓に貼る専用のプチプチをホームセンター等で購入することもできます。いくつかの種類があり、自分で両面テープを装着して貼るタイプ、水で貼るタイプ、糊付きのタイプなどがあります。

ガイド宅(東北地方)に実際に取りつけてみたところ(上の写真、水で貼るタイプ使用)、プチプチが断熱材の役割を果たし窓の結露の発生を抑制しました。毎朝の結露取りの作業もなくなり、助かっています。

 

コールドドラフト対策

市販の窓断熱ボード使用例。冷気が床に流れるのを防ぐ。

市販の窓断熱ボード使用例。冷気が床に流れるのを防ぐ。

窓から入った冷気は壁や窓を伝って床へ流れ足元を冷やします。この冷気の流れをコールドドラフト現象といいますが、この足元の冷たい空気の流れは不快そのもの。このコールドドラフト対策をいくつかご紹介しましょう。

右の写真はホームセンターなどで市販している「窓断熱ボード」です。下部に流れて来た冷気を、窓に立てかけた板状のもので防ぎ、室内に流れ込まないようにしています。

ボードの下部が室内側に折れ、L字になることで自立するようになっています。いつでも取り外しできます。見栄えを気にしなければ、市販品を購入しなくても板や厚紙やダンボールなどで代用することもできます。

 

早めにカーテンを閉める

窓周りからの冷気を防ぐためにカーテンも有効です。薄暗くなってきた午後4時ごろに早めにカーテンを閉める習慣をつけてしまうといいでしょう。カーテンは端、中央に隙間がないようにしっかり閉めます。これからカーテンを新調する人は窓の大きさよりも大きめに作ると効果があります。

このページでご紹介したプチプチ、窓断熱ボード、カーテン対策で窓まわりの断熱性をアップしましょう。暖房機を窓の下に置くと窓から入る冷たい空気を暖めてくれます。

このページでご紹介したプチプチ、窓断熱ボード、カーテン対策で窓まわりの断熱性をアップしましょう。暖房機を窓の下に置くと窓から入る冷たい空気を暖めてくれます。


(1)窓にプチプチを貼り、(2)窓の下部に板を立てかけ、(3)カーテンをしっかり閉める。このトリプル作戦で窓の断熱効果をアップさせましょう。

次のページは足元の寒さ対策、浴室を暖める方法です。

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