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避難先で手軽にできる、真冬の寒さを乗り切るコツ

東日本大震災の影響で全国に避難している人の数は約33万5千人、このうち仮設住宅や借り上げ住宅等に入居済みの方は約31万7千人。これから冬本番を迎える前に、避難先でも手軽にできる、リフォーム不要で実用的な暖房術やコツをまとめてご紹介します。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

全国で33万5千人が避難生活 

東日本大震災復興対策本部事務局が発表した「全国避難者等の数」によると、全国で避難している人等の数は約33万5,000人、そのうち「避難所」にいる人は4都県で約680人、「仮設住宅・借り上げ住宅等」に入居済みの人は全国で約31万7,000人、避難先は全国47都道府県1,200以上の市区町村に渡っています(平成23年12月15日現在)。

 

避難先は東北地方が多い

東北地方では本格的な冬に突入しています。

東北地方では本格的な冬に突入しています。

避難先で最も人数が多いのが宮城県で12万3,927人、福島県9万5,546人、岩手県4万3,812人、山形県1万3,711人、被災地やその近県など東北地方で多くなっています。

一方、東京で9,033人、埼玉4,914人、神奈川2,743人と関東地方にも数千人単位で避難している方がおられます。住みなれない土地での初めての冬を迎え、不安をお持ちの方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

 

仮設住宅のほか公営住宅や民賃も

避難先の住宅等には公営住宅、応急仮設住宅、民間賃貸住宅、病院等が含まれています。その中で緊急に建てられた仮設住宅の寒さ対策はどうなっているでしょうか。

社団法人プレハブ建築協会のホームページに掲載された「災害への取り組み(応急仮設住宅)」によると、応急仮設住宅(仮設住宅)の仕様は建設地の気象などに配慮して寒冷地対策、積雪対策、強風対策を施しているとのこと。また、本格的な寒さを迎える前に暖房器具の配布や外壁への断熱材追加、二重サッシ取り付け、玄関前に風除け室を増設など、必要な冬支度が徐々に進められているようです。

 

簡単、お手軽にできる暖房術

窓にたくさん水滴(結露)がついていれば断熱性はあまり高くない窓だ。

窓にたくさん水滴(結露)がついている窓は断熱性があまり高くない窓だ。

今回は、公営住宅、仮設住宅、民間賃貸住宅など避難先で取り入れやすい、簡単でお手軽な住宅の暖房術をいくつかご紹介いたします。

効率的に暖かく住まう為には「熱の出入りを少なくすること」。冬場、住まいから流出する熱の約半分は「窓」からと言われており、まずは窓を制すことがポイントです。

また、不快な足元の冷えを防止する方法、寒いお風呂場でのヒートショックを予防する方法など順番に見てまいります。

早速次ページで窓の断熱強化策を見てみましょう。

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