松川温泉「峡雲荘」とは
峡雲荘は松川温泉(岩手県)の秘湯の宿です。日本初の地熱発電所がある事で知られる松川温泉には三軒の温泉旅館があり、地熱発電所から引いた蒸気を暖房に利用し、冬でも寒い思いをしないで済みます。冬季は四輪駆動のボンネットバスが運行される事でも知られ、雪見露天風呂を楽しむのにも最適な温泉地です。地熱発電所のイメージが強いので、浴場の湯も発電所の引湯だと思ったら大間違い。三軒とも独自の源泉を利用しているので、宿によって湯が微妙に違いますが、基本的には白濁の硫黄泉です。峡雲荘は松川温泉最奥の宿で、路線バスの停留所が宿の前にあり極めて便利です。また本館は改装によって、秘湯とは思えない程綺麗な宿になっています。
松川温泉「峡雲荘」の雪見露天風呂
松川温泉「峡雲荘」は、露天風呂が素晴らしい旅館です。宿自体が地熱発電所を見下ろす高台にあり、発電所から立ち上る蒸気を目にしながらの入浴は、独特の風情と開放感があります。混浴露天風呂には、大きな岩が不規則に並んでいるので、白濁した湯の色と岩陰をうまく利用すれは、女性も比較的入り易いと思います。どうしても混浴が苦手という方は、女湯に女性専用の露天風呂があるので大丈夫です。本格的な雪見風呂を堪能しようと思い真冬に行ったので、露天の周囲や岩の上、宿の屋根の上に大量の雪があり風情は満点でした。高台にあるせいか、風の強い日には露天風呂周辺にも強い風が吹くので、露天風呂に入っていると体は大丈夫ですが、顔がかなり冷えるのも事実。適宜顔をお湯で温めたり、内湯に入りなおして体を温める必要もありましたが、八幡平の真冬の大自然を堪能するのが目的だったので、むしろ冬本来の厳しさが分かって良かったと思いました。
しっかりとした造りの内湯は、冬は湯気でもうもうとしていて写真にも写りませんが、それも秘湯の温泉らしくて良いと思います。泉質は硫黄臭の強さや、しっとりとしたすべ感のバランスが非常に良く、名湯を実感出来ます。
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