大都市圏と地方圏の二極化が進む
東京圏の発展は続きます
同じように東京に隣接する神奈川、埼玉、千葉もやはり5年前に比べて人口が増えています。つまり日本の中でも、大都市圏と地方では情勢が全く違うのです。
大都市圏、中でも東京圏には、不景気と言いながらも、まだ人が流入してきています。その一方で47都道府県のうち38では人口は減っています。つまり都市と地方で二極化が起きているのです。
ですから賃貸経営を始めるにあたっては、地域の人口動態を見極めるマーケティングが何よりも大切なのですが、それについては私の著書『その土地活用ちょっと待った』で説明しましたし、既に賃貸経営を行っているオーナーさんにとっては、今さら言われても困惑するばかりでしょう。
ただ知っておいていただきたいのは、オーナーさんがもし大都市圏、特に東京圏で賃貸経営を行っているのであれば、日本全体の人口が減少しているといっても、それほど心配しなくても大丈夫、ということです。
東京は世界有数のメガロポリス(巨大都市)です。東京都に神奈川県、埼玉県、千葉県を加えた東京圏には、およそ3500万人が居住しています。これは実は都市圏としてはダントツで世界一なのです。現在の2位はメキシコのメキシコシティーですが、人口としては2500万人にしかなりません。
世界を見渡すと、おとなりの中国で今後10年あるいは20年の間に、域内人口が2000万人クラスの都市圏が20ヶ所くらい生まれてくるのではないかと言われていますが、現時点では日本の東京が世界一なのです。
それだけ巨大なマーケットがあるわけですから、きちんと原則を踏まえた経営を行えば、必ず賃貸経営は成功させることができます。
飲食店の経営は「すてきな雰囲気」「行き届いたサービス」「おいしい料理」そして「納得できる値段」という4つの条件がそろえば成功すると言われますが、賃貸経営も同じです。
賃貸経営成功のためには必ず押さえなければならないポイントがいくつかあり、それを外してしまうと失敗が待っていますが、重要なポイントをきちんと押さえさえすれば、誰でも必ず成功することができるのです。
建てれば満室という時代は終わり、少子高齢化が進む中で入居者ニーズに応えられている建物と、そうでない建物との二極分化は著しくなっています。大家さんが変えられない要因もありますが、大家さんの変えられる要因も、たくさんあります。賃貸住宅の市場環境をタイムリーに捉えることができる大家さんは成功しているのです。