長期優良住宅/長期優良住宅の基礎知識

長期優良住宅も選択肢! 現在の普及状況は?(2ページ目)

2009年6月にスタートした「認定長期優良住宅」制度ですが、一戸建て住宅ではその採用が進みつつあるようです。現在の普及状況とともに、長期優良住宅を選ぶときに考えておきたいポイントをまとめました。(2014年改訂版、初出:2011年11月)

執筆者:平野 雅之


認定長期優良住宅に対する税制上の優遇措置など

認定長期優良住宅の場合には、住宅ローン控除の最大控除額上乗せ、住宅ローンを借りない場合の所得税控除、登録免許税の軽減税率引き下げ、不動産取得税の控除額割増、固定資産税の軽減期間延長など、税制上においていくつかの優遇措置が設けられています。

ただし、いずれも期限のある措置ですから、適用の可否については実際に長期優良住宅を検討される年度における住宅税制をご確認ください。

また、認定長期優良住宅では住宅ローン金利引き下げなどの優遇措置を受けられる場合があり、それによって総支払い額が大きく変わることもあるでしょう。


長期優良住宅の認定を受けるべき?

認定長期優良住宅を建売住宅として購入する場合には、その認定に要する費用などが売買価格に含まれていますが、注文住宅の場合には事前に関連費用をよく確認することが重要です。建築費用がそれなりに割高となるほか、認定にかかる費用も考慮しなければなりません。

自治体(特定行政庁)によって異なりますが、長期優良住宅の認定を受けるためにはその「認定申請手数料」として、登録性能評価機関の発行する適合証がある場合(事前審査を受けた場合)は数千円~2万円程度、適合証がない場合は5万円前後が必要です。

しかし、これとは別に申請のための書類、添付図書などの作成費用がかかり、住宅性能評価を受けずに長期優良住宅の認定を申請する場合には、かなりの負担増となることもあるようです。もちろん、住宅性能評価を受ける場合でも相応の費用がかかります。

また、長期優良住宅の認定を受けた場合には、将来にわたって定期的な維持保全(点検・補修など)もしっかりと実施しなければなりません。

これらの費用負担と各種の優遇措置などを考えたうえで、長期優良住宅の認定を受けるかどうかを検討することが大切です。


将来の中古市場では認定長期優良住宅が有利に?

いろいろと費用のかかる長期優良住宅ですが、将来の中古住宅市場ではその優位性が際立つこともありそうです。

長期優良住宅制度の目的のひとつが中古住宅市場での流通性を高めることであり、将来的には長期優良住宅を中古として売り出すときの優遇制度が創設される可能性は十分に考えられます。

そのような優遇制度がなかったとしても、認定長期優良住宅が一般的な存在となれば、それ以外の住宅が売りづらくなることもあるでしょう。

もし仮に、まったく「同じ条件」「同じ性能」の2つの中古住宅があり、一方が長期優良住宅の認定を受け、もう一方が受けていないとすれば、売買価格で数十万円、あるいは売却のタイミングを逃すことで百万円を超えるような差が出ることもあり得ます。

住宅性能そのものに違いがあれば、売買価格の差はさらに大きなものとなるでしょう。

取得費用の問題と同時に、将来の売却時などにおける資産価値も視野に入れながら考えることも欠かせません。


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