温泉/東北の温泉

花巻南温泉峡(3ページ目)

花巻南温泉峡は岩手県南部、花巻市の豊沢川沿いに点在する八つの温泉の総称です。川沿いである事から、温泉郷ではなく温泉峡と呼ばれます。大きな旅館が多い志戸平温泉、歴史と伝統と名湯を誇る大沢温泉と鉛温泉、隠れた名湯と呼びたい山の神温泉など、岩手県の温泉を語る上で忘れてはならない温泉揃いです。今回は花巻南温泉峡を紹介します。

藤田 聡

執筆者:藤田 聡

温泉ガイド

花巻南温泉峡の観光地

羅須地人協会(宮沢賢治旧宅)

羅須地人協会(宮沢賢治旧宅)は花巻を代表する必見の観光地

花巻といえば宮沢賢治の故郷です。よって、花巻観光といえば多数ある宮沢賢治関連のスポットがおすすめ。特におすすめなのが、宮沢賢治旧宅でもある羅須地人協会です。元は桜地人館隣接の雨ニモマケズ詩碑の場所にあったのですが、賢治が教鞭を取った県立花巻農業高等学校の敷地内に移築され、同校同窓会が管理しています。高校の敷地内ですので、学校の迷惑にならないように配慮して見学する必要がありますが、そうした真剣な気持ちでの訪問が必須な所も、私がここを好きな理由の一つです。

建物の裏側に玄関があり、ポスターなどにも良く使われる「下ノ畑ニ居リマス
」と書かれた黒板が、玄関の横にあります。今の文字は賢治の直筆ではなく弟さんが再現した物だそうですが、彷彿とさせるものがあるから不思議。下の畑ってどんな所だろうかと、詩碑の場所にも行きたくなってしまいます。こんな風に少しずつ賢治の事を知り、少しずつスポットを尋ね歩くのがおすすめです。

なお、羅須って何だろうと思ってしまいますが、諸説あって判然としないという事になっています。しかし、愛用のそば店「やぶ屋」をブッシュと呼んでいた賢治ですから、Rustic(田舎の、素朴な、質素な)から来ていると考えるのが自然だと私は思います。本人自身が名前に意味は無いと言っていたそうですが、人前で田舎だとか質素だとか言いたくなかったのかもしれません。このように自分なりの賢治像を考えながら訪ねる事ができる点も、賢治の旧跡巡りがおすすめな点なのです。
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