子供のやけどの重症度 

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子どものやけどについて知っておきましょう

医学的には、「熱傷(ねっしょう)」と言うやけど。熱によって皮膚の組織が傷んでしまった状態です。

やけどの程度は、やけどの範囲と深さによって変わってきます。軽症のやけどは、外来での処置で大丈夫ですが、中等度や重症のやけどになると、入院治療が必要になります。まずはやけどの重症度を確認し、正しく対処しましょう。

<目次>  

子供のやけどの「深さ」による重症度…第1度・第2度・第3度

皮膚は、大きく三層構造になっています。皮膚はよく「家」に例えられます。「皮膚の三層」にあたるのが「屋根・構造・土台」です。
  • 屋根……表皮
  • 構造……真皮
  • 土台……皮下組織
雨や風の刺激に家は耐えているのと同様、皮膚も、細菌、ウイルス、化学物質、温度、湿度に耐えています。しかし、体温をはるかに超える温度には耐えられません。やけどは「皮膚が傷んだ深さ」で分類します。
  • 第1度……表皮だけ。赤くなってむくむ
  • 第2度……真皮まで。真皮での深さによって浅い浅在性と深い深達性に分かれます。浅在性では赤くなった水泡で、深達性では蒼白か赤褐色の水疱になります。
  • 第3度……皮下組織まで。水泡もなく、皮膚がなくなり、組織が見えている状態     

子供のやけどの「範囲」による重症度…軽症・中等度・重症

単に範囲だけでなく、上記の深さの程度も含めて判断します。範囲は、体の皮膚全体の面積(体表面積と言います)でやけどがどの程度あるのかを判定します。例えば、乳児の場合、頭全体をやけどになると面積は20%になります。
  • 軽症……第2度 10%以下、第3度 2%以下
  • 中等度……第2度 10~30%、第3度 2~10%
  • 重症……第2度 30%以上、第3度 10%以上、気道にもやけどがある場合
で判断します。

各部位の面積が体全体に占める割合は、子ども場合だと
  • 頭部……乳児 20%、幼児以降の子ども 15%
  • 片手……乳児 10%、幼児以降の子ども 10%
  • お腹……乳児 20%、幼児以降の子ども 20%
  • 背中……乳児 20%、幼児以降の子ども 20%
  • 片足……乳児 10%、幼児以降の子ども 15%
となります。

熱湯や火事でのやけどは重症になることが多いです。
 

重度のやけどは救急救命センターでの治療が必要

やけどの治療は、やけどの深さによって異なります。また、やけどの重症度によっても治療は異なります。中等度以上のやけどは、入院の上、点滴を行い、感染症を予防し、集中的な医学的管理が必要になりますので、速やかに救急医療機関、特に、「3次医療機関」と呼ばれる救急救命センターを受診することをお勧めします。

ここでは、すぐにできるやけどの処置法と外来での対処法を説明します。
 

家でできる子供のやけど応急手当

■やけどの原因になっているものを速やかに離す
皮膚に接している熱いもの、暖房器具などを速やかに離さないとやけどの深度が進んでしまいます。子どもはパニックになって、そのまま手を暖房器具に置いたままで泣いていることがありますので、早く離して下さい。

■とにかく冷やす
0℃~5℃の氷水、流れる水で約30分は冷やした方がいいでしょう。

この時点で、少し赤いか、どこをやけどしたかわからない程度なら様子見してもいいかもしれません。
 

やけどで病院は何科を受診すべきか

痛みが強い、赤みが強い、水ぶくれがある場合は、医療機関の皮膚科を受診しましょう。
 

病院での子供のやけど応急処置・やけど治療

消毒液を使った消毒は行いません。

■第1度のやけど
赤くなって、痛みやひりひり感がある時には、油を中心にした軟膏(ワセリン、プロペト、オロナインなど)で皮膚を保護し、炎症を抑えるためにステロイド軟膏を塗ります。

■第2度のやけど
水泡(水ぶくれ)はできるだけ破らないようにしますが、破れそうな場合は、清潔な針で水泡の中の液体を抜きます。掻いて破ってしまうと、水泡を覆っている皮がむけてしまい、傷が治りにくくなります。もし、水泡が破れたり、皮がなくなってしまった場合は、皮膚を守るために、プラスモイストなど、できれば、やけどの傷にくっつかず、浸出液を吸収して、しかも乾燥させないものであれば、OKです。感染症を防ぐ意味で、抗菌薬の外用薬を使用します。もし、傷に付かないガーゼが無い時には、塗らして、外すようにしましょう。

■第3度のやけど
やけどの面積が小さいと、周りの皮膚が伸びてきて、治ることもありますが、跡が残ってしまいます。皮膚移植が必要です。その時期については、場所、範囲、大きさによって異なりますので、それまでは抗菌薬で感染を予防します。
 

やけどの後遺症……やけど跡・ケロイド・ひきつれなど

やけどの後遺症として、
  • 色がついてしまう色素沈着
  • 傷跡として残ってしまう瘢痕
  • 皮膚の盛り上がって治るケロイド
  • 皮膚のひきつれ
  • (関節のやけどであれば)関節の変形
があります。これらの後遺症は、やけどの程度によって変わってきます。第1度、第2度の浅在性のやけどでは数日から数週間で治ってきます。そして、傷あとも残らないことが大半です。一方、第2度のやけどのうち深達性である深いもの、小さな第3度のやけどは、治るにも数週間かかり、しかも、瘢痕が残ってしまいます。あまり大きな第3度のやけどは、皮膚移植が必要となり、この場合はどうしても移植の跡が残ってしまいます。

子どものやけどは予防できます。事故が多いので、熱いお湯や鍋、飲料などは子どもの手の届く所に置かないことが大切です。

 

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