専用シャフトにも、強いこだわりが…
さて、ただヘッド重量を増やしただけだと、総重量が増え、バランスポイントも重くなり、振り心地も変わってきます。「ゼクシオ7」では、ヘッド重量の分だけシャフトを軽量化(2g)し、さらにシャフトの重心位置を手元側に寄せることで、操作感を高めて、ヘッドスピードアップするといいます。
以前の記事、「絶賛シャフトスタビライザーの真価を探る」 http://allabout.co.jp/gm/gc/213247/ では、グリップエンドにウェイトを装着するアイテム、シャフトスタビライザーを紹介しました。手元寄りの重量感を高め、操作性を向上させるというコンセプトは、このシャフトスタビライザーが思い出されます。
ちなみに逆に、クラブ全体の重心位置が手元に遠いほど、操作は難しくなります。長尺や大型ヘッドドライバーの難しさもその辺に由来します。
ゴルフクラブの性能は本当に微妙で、ちょっとした重量の変化でも違いが出てきます。「ゼクシオ7」のシャフトは、従来よりも重心位置を40mmも手元寄りに設定。軽量化しつつ、手元寄りに重心を移すという高度な設計で、開発の苦労も大きかったということですが、これによって従来モデルにはない振り心地を実現したといいます。
ドライバーのシャフト長は、五代目から六代目にかけて、0.25インチ伸びました。その時も見た目や操作感にかなりの配慮があったと記憶していますが、今回は45.5インチに設定。結果的に短くなりました。
フェースの反発規制以降、飛距離アップに行き詰ったのでは、とはよく指摘されることです。ヘッドでの大きな性能向上が望めなくなることで、市場のクラブはルールギリギリまで長尺化するのではないかと思われましたが、ここで逆行する形となりました。
「ゼクシオ」は、市場のトレンドを作っているようなところがあります。ここ2.3年は、急激にシャフト長が伸びることは無いと思われます。
5代目から採用されていたMP700Mシャフトなどの、10g程度重いミドルウェイトタイプのシャフトのラインナップは廃止になっています。純正シャフトは40g台後半と軽量化。ヘッドスピードの速いゴルファーは60g以上のカスタムシャフトを選択する形です。
打球音へのこだわりも見逃せません。
もともと、良い打音とは「ボスッ」といった低く渋い音の事を指すことが多かったのですが、「ゼクシオ」の登場は、チタンドライバーを打球する「コキーン」という甲高い音が主流になるきっかけにもなったと思います。そうした澄んだ金属音が良いと好まれるようになったのも「ゼクシオ」の隠れた功績ではないかと思います。
「ゼクシオ7」では、これまでの甲高い音がさらに高音で残響感のある打球音になっています。オフセンターヒットでも良い音が出るように工夫されているとか。