定年・退職のお金/老後の生活設計・ライフプラン

DINKSの老後のお金の考え方

DINKS(子供のいない共働き世帯)は最近、生活費以外を別会計にしている家庭が増えているようです。これらの家庭の問題点は、互いの貯蓄額が把握できないこと。それでは老後資金の過不足を把握できません。リタイア時に老後資金として妥当な金額を拠出して「お財布ひとつ型」で管理してはいかがでしょうか。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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 家計管理のパターンは3つ

DINKS(子供のいない共働き世帯)の家計管理は、一般に次の3パターンに大別できます。
  • 収入を一括して管理する「お財布ひとつ型」
  • 「食費とレジャー費用は妻、家賃と車維持費は夫」のように、負担する費目を決めて各自が支出する「お財布ふたつ型」
  • 生活費や家賃、車維持費など毎月決まった額を一定のルールに基づいて拠出し合い、残りは自分のものとする「お財布みっつ型」
かつては「お財布ひとつ型」が多かったのですが、最近では「お財布みっつ型」を選ぶカップルが増えているとか。「お財布ふたつ型」も含めこのタイプは、各自が自由にできるお金が多いこと、また使途を追求されることが少ない、という気楽さから支持が増えているようです。ただ、配偶者の収入や支出、貯蓄額(資産)など全体像を把握することが難しい、という問題があります。


年金総額は350万円程度

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2人の年金を合わせると、まあまあの生活はできそう……かな?

DINKSは、夫婦共に厚生(共済)年金を受給するので、比較的豊かな老後を過ごすことができる……、と考えられていますが、本当にそうでしょうか。

「平成19年度老齢年金受給者実態調査」(厚生労働省)によると、ともに65歳以上である夫婦世帯(夫が主に正社員中心)の年金収入は、妻の現役時代の経歴によって
  • 妻が「正社員中心」            357.6万円
  • 妻が常勤パート中心            252.3万円
  • アルバイト中心               272.6万円
  • 自営業中心                 287.4万円
  • 収入を伴う仕事をしていない期間中心 300.4万円
  • 中間的な経歴               304.1万円
でした。

仮に現役時代の生活費(食費や光熱費、通信費、交通費、交際費、レジャー費など)が年間400万円の場合、リタイア後の生活費はその80%として320万円が必要で、非消費支出(税金や社会保険料)や民間の生命・医療・損害保険料への支出を考えると、年金だけでは少し不足しそうです。「お財布ひとつ型」以外の世帯は、不足分をどうカバー(負担)するかリタイア前に話し合う必要があります。

※「平成22年家計調査」(総務省)によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の年間支出は約320万円です。


リタイア後の財布は何型?

DINKSは比較的ゆとりのある世帯が多く、個人や夫婦での外食やレジャー、趣味、お付き合いなどなど、支出がなんとなく膨らみがちです。リタイア後は収入が激減(無年金時代もある)しますが、現役時代のリッチな生活習慣を急に縮小することは難しく、収入と支出のバランスをとるのはかなり厳しそうです。その上、互いの懐事情が不明なら……。さてさて対応はどうしましょうか。

例えば、老後の生活費(夫婦単位の交際費や娯楽・教養費・レジャー費用などはここから支出)に2人の年金を全額拠出しても年間50万円不足する場合、人生35年として不足する老後資金は50万円×35年=1750万円になります。そこで退職金や貯蓄から合計2000万円程度になるように互いに資金を拠出しひとつの口座にプールして一括管理(=お財布ひとつ型)すれば、少なくとも老後に必要な二人の生活資金は確実に確保し管理することができます。


50歳で資産の棚卸しをしよう。
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