食物アレルギーの管理は大変なものです。ガイドも1人目の子供は8ヶ月の時にアレルギー反応を起こすようになりましたが、2歳を過ぎた頃から見えられなくなりました。2人目の子供も何らかのアレルギーが疑われる状態で、食物アレルギーは個人的にも臨床栄養士としても切っても切れないトピックです。2011年10月に米国小児学会より食物アレルギー管理のガイドラインが発表されましたので主にその情報を元にしてまとめてみました。

食物アレルギーの背景

食物アレルギーはこの10~20年で増加の傾向があります。現時点では食物アレルギーの治療法は存在せず、食物の除去とアレルギーの症状を緩和する方法しかありません。食物アレルギーのある子供では、食物アレルギーがない子供と比較して、喘息になる可能性が4倍、アトピー性皮膚炎になる可能性が2.4倍だと考えられています。ある研究によると、5歳以下の子供でアトピー性皮膚炎がある場合は、そのうち37%の子供にIgE抗体のある食物アレルギーが見られたそうです。何らかの関係があると考えられていますが、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の因果関係ははっきりしていません。5歳以下の子供でアトピー性皮膚炎が改善されない場合は食物アレルギーの有無を確認するのもよいと考えられています。アレルギーのテストは幾つも種類がありますが、テスト結果と食物アレルギー反応が一致しなかったり、体はアレルギー反応を示さないのに、陽性の結果がでることもよくあるため、テスト結果だけに頼らず臨床的な判断が大切です。要するに身体がアレルギー反応を示すか示さないかがキーです。

食物アレルギーのリスク

親や兄妹にアレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症がある場合は、食物アレルギーになるリスクがあります。

妊娠中と乳児期の対処法

妊娠中や授乳中にアレルギー予防として母親が食物除去することは勧められていません。たとえ親にアレルギーがあったとしても4~6ヶ月は完全母乳を勧めています。しかし育児用ミルクを使う必要がある場合は、アレルギー予防策として加水分解された製品を使うとよいかもしれないとう見解がありますがきちんとしたコンセンサスはありません。アレルギー予防のために母乳ではなく加水分解ミルクを使うのはNGです。育児用ミルクを使う場合、アレルギー予防を目的として牛乳ベースではなく、大豆ベースの製品の使用をしても利点はないと考えられています。

主なアレルゲンとなる食材の導入タイミング

遺伝的に食物アレルギーのリスクがある場合でも、代表的なアレルゲン(牛乳、卵、ピーナッツ、大豆、麦、魚、えび、いか、木の実(くるみ、アーモンド等)、大豆など)となる食材を除去する必要はなく、日常的にこれらのアレルギーテストをする必要もないというのがコンセンサスです。アレルギーのリスクがあっても、国・研究機関などから発表されている一般的な離乳食導入のタイミングに従えばよいと考えられています。一般的にアレルゲンと考えられる食物の導入を遅らせても、結局は導入した時点でアレルギーが出てしまうというのが一般的な認識のようです。ただし、親、兄妹に非常に深刻な食物アレルギーを示す人がいる場合に限って、離乳食・幼児食のタイミングを遅らせるというのが、アメリカ小児学会の見解のようです。母乳・育児用ミルク以外の全ての離乳食開始は6ヶ月から、そして牛乳は1歳以降、卵は2歳以降、ピーナッツ、木の実(くるみ、アーモンド等)、貝、いか、えび類は3歳以降の導入を勧めているようです。

食物アレルギーの経過

アレルギー反応を起こさなくなるまでの時間やタイミングには個人差があります。子供のときに牛乳、卵、大豆、麦にアレルギーがあっても8割程度は成長につれて反応を起こさなくなります。しかし、ピーナツや木の実、魚、いか、えびへのアレルギーは約2割程度だけが反応を示さなくなるようです。前者は後者よりも早い時期にアレルギーが見られなくなることが多いようです。アレルギーが残る可能性が高くなるのは、1つ以上の食物にアレルギーがあった場合、アレルギーを示した頃のIgE抗体が高いことや、アトピー系の疾患がある場合だと考えられています。ただし前でも触れましたが、IgE抗体と食物アレルギー反応は一致しない場合もあります。

食物アレルギーと食物除去

食物アレルギーの対策はアレルギー反応を起こす食物を避ける事しか方法がありません。食物アレルギーの症状が重篤でない場合は、その症状とどう付き合うかは個別に判断する必要があります。症状が不快な場合は薬を使ったり、出来る限りその食材を避ける必要があると思います。ただし、軽めの食物アレルギーが重症アレルギーになる可能性もあることは認識しておく必要があります。アレルギーがある食物を完全除去すると反応を起こさなくなる時期が早まるという報告もあるようですがはっきりしていません。生命に関わるような深刻な症状がある場合は、とにかく避けるしかありません。また、どんなに避ける努力をしても、アナフィラキシーを予防できる確立はゼロではありません。アナフィラキシーの可能性が疑われる場合は、起こしてしまった場合の対処法をきちんと把握し、いつでも対処できるようにしておく必要があります。最後に、除去している食材に含まれる栄養素をきちんと把握し、他の食材でその栄養素をしっかり補うことがとても大切です。子供は成長に必要な(脳、筋肉、骨など)栄養素を十分に摂取する必要があります。
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