新宿東口に本店ビルを構えるカレーの「中村屋」
日本一の乗降者数を数える新宿駅。その新宿駅東口、伊勢丹や丸井、紀伊国屋と同じ三丁目エリアに新宿中村屋の本店ビルがあります。堂々の新宿一等地ですね。和菓子や洋菓子、中華まんやレトルト食品など、一軒のお店という規模を超えた有名な東証1部企業ですが、今回こちらのガイドでは、「カレー・洋食」を提供する1店としてご紹介したいと思います。
日本におけるインドカレー発祥の店として知られる中村屋。同店ではインド“カレー”ではなく、インド“カリー”、正式名は“純印度式カリーライス”です。新宿通りに面した本店ビルは地下から5階まで、業態を変えた店舗で営業。三越アルコットとの間の通りに面した東館の1、2階にもオムライスと洋食のカジュアルレストラン「パ ヴィヨン」を展開しています。
創業は1901年(明治34年)
中村屋の創業は、1901年(明治34年)で文京区・本郷、東大正門前の小さなパン店がスタートです。クリームパンやクリームワッフルを創案し、1909年に店舗や業務拡大のため新宿の現在の場所に移転をしています。
さてその創業の1901年とは、どんな年だったのか……。官営八幡製鉄所が開業。近代化、工業化を加速させるシンボルだったのでしょうか。その一方で公害問題として有名な足尾鉱毒事件で田中正造が立ちあがり天皇に直訴を試みる事件も起こっています。世界に目を向けると、イギリスが自治領としてオーストラリア連邦を発足、スウェーデンでは第1回ノーベル賞の授与が行われています
昭和天皇や後に首相となる佐藤栄作、特撮の神様と呼ばれた円谷プロの円谷英二、ウォルト・ディズニーらが生まれた年でもあります。新しい世紀の始まりに相応しい凄い顔ぶれですね。そんな20世紀のスタート年、中村屋も同時に歩みを始めます。
では、日本におけるインドカレーの“聖地”へ参りましょう