中古車の価格は人気によって左右される
私は毎週、その時々の「おいしい中古車」をご紹介していますが、そもそも「おいしい中古車」とは何でしょうか? そのためには、まず中古車の価格がどうやって決まるのかを理解する必要があります。中古車の価格は、一言で言えば「人気」によって決まります。人気が高ければ価格を上げても買いたい人が出てきますから、価格は高くなります。逆に人気がなければないほど安くなります。新車はメーカーの一方的な値付けですが、中古車は、需要と供給のバランスで価格が決まるのです。
例えばキズが少なくて、年式が新しく、走行距離が少なめで、装備が充実して……なんて車は誰もが欲しがります。だから中古車販売店としては価格を上げても売ることができます。逆に年式が古くて、走行距離が多く、装備がほとんどなくて……となると、安くなります。
人気の裏に「おいしい中古車」がある
さらに「人気」を決める要素は年式や走行距離などだけではなく、例えば同じA社のミニバンなのに、赤より白色が人気だとか、あるいはA社とB社のミニバンはほぼ同じ性能なのにA社のほうが人気、というように色や車種といった要素でも人気の差=価格差が生じることもあります。こうした人気の要素の裏に「おいしい中古車」があるのです。ここではそんな、様々な人気の裏側を少しご紹介しましょう。
まずはボディ色です。特に高級セダンやミニバンでは白や黒が人気です。いっぽうで赤は時に50万円も安い場合があります。赤でもいいという人にはおいしいですよね。
同じ車種ならマイナーチェンジ前のほうが、年式が古い分、安くなります。マイナーチェンジで多少デザインが変わった程度なら、狙い目だと思います。
他メーカーの同じカテゴリーの車を調べてみましょう。上記で述べたように、案外価格差が付いていたりしますから。
世の中の流れにあえて逆らうと、おいしい中古車が見えやすくなります。例えば今ならミニバンやエコカーを避けると、それらとほぼ同じ価格帯でおいしい中古車が、ほら……。
既成観念にとらわれず、自分に問いかけてみる
もちろん人によっては「それでも赤いミニバンはイヤだ」という人もいるでしょう。またその価格差が50万円ならいいけど、10万円なら白がいいな、とか。つまりおいしさは、人によって異なるのです。ですが、そこでもう一度考えてみてください。なぜボディ色が赤だといけないのか? と。赤だと乗車定員が変わるわけでも、加速力が変わるわけでもないのに。それでこの価格差を自分ならおいしいと思えるか?
このように「おいしい中古車」は人それぞれ。ただし、既成観念にとらわれないほうが、おいしい中古車を見つけやすいと言えます。