刺激的なスパイス使いのなかに優しさが宿るネパール料理
インドと中国にはさまれた細長い国、ネパール。食においても、両国の影響を多大に受け、多様な食文化を開花させた国といえるネパールの料理は、大きく分けると、チベット地域とそれ以外の地域に分けられます。チベット地域は中国色が強いためか、麺や蒸し料理があり、日本人にとってはどこか懐かしさが感じられる料理。その他の地域は、基本的にインド料理のようなスパイス使いが印象的です。ネパール定食 「ダルバート」
街をふらりと歩いていて、ネパールの国旗をちらりとでも見つけたら、せまーい路地でも、道の反対側を歩いていたとしても、方向転換をしてまでつい立ち寄ってしまうワタシ。ネパール料理にはとても惹かれています。なぜって? それはきっと、ネパールの田舎街にホームステイして、ネパール人の温かい人柄に触れたからだと思います。
もちろん、料理にも惹かれますよ。料理を作りはじめるときは、まず、石の板にスパイスをおいて、ゴリゴリとスパイスを細かくすることが基本。土のかまどに火をおこし、時間をかけてゆっくりとひとつひとつ丁寧に作られます。そして、食べるときは、ひんやりとした土の床に座って手で食す。まるで、座禅をくんだあとに料理を口にするときのような感覚になったことを思い出します。
日本では、インド料理店であっても、店頭にインドとネパールの国旗を掲げたインド料理店を多く見かけますが、そのようなお店では、ネパール人が料理を作っていることが多々あります。料理人がネパール人だとわかったら、ワタシは、メニューに載っていなくても、つい、「ネパール料理はありますか?」と聞いてしまいます。すると、にっこりとした笑顔を浮かべ、会話が盛り上がることもしばしば(でも、話しかけるのは、もちろん忙しい時間帯ではないですけれどね)。
認知度がさほど高くないネパール料理ですが、皆さまがこれを機に、ネパール料理に興味をもっていただけたら幸いです。なお、順番はランキングではありません。加えて、これはあくまでも私見です。そのときに一緒に訪れた人や席を隣り合わせた方、食べた料理、店の対応、お店によっては料理人が数人いることもありますので、どの料理人が作ったか、などによって感じ方は変わってくると思います。
※これは2011年9月現時点での捉え方です。各国料理店では、さまざまな事情で料理人が変わることがよくあります。となると、味も変わるのが常。場合によっては、記事を加筆したり消去することがありますので、ご了承ください。