中長期では世界的なインフレか?

欧州債務問題を引き金に、世界経済は減速気味です。
リーマンショック後はインフレ傾向にありましたが、金利据え置きを決める国も増えており、利下げに踏み切る国も出てくるかもしれません。
そうなると、短期的にはデフレが世界を覆う可能性があります。

しかし長期的に見れば、世界の人口は増え、消費も増えますから、経済は拡大します。それはインフレを招き、いずれ日本にも波及してくるかもしれません。
あるいは国債の消化率が悪化すれば、国債価格の下落を招き、金利は上昇します。
おそらく、中長期的にインフレになる可能性は十分高いと言えます。

インフレになれば、相対的に貨幣の価値が下がります。
今日100万円で買えるモノが、1年後は120万円を払わないと買えないとしたら、現金のままにしていても、1年後は20万円損したようなものです。

それなら今、そのモノを買って1年後に売却する、というほうがトクです。誰でもそうですよね。
かといって、自動車やブランドバッグを買っても、必ずしも期待した値段で売れるとは限りません。

そのため、価値の維持と換金性が両立できる資産にお金が集まります。その代表が金や不動産です。
不動産はインフレに強いと言われる所以です。

理論上は確かにその通りですが、今後もそれは当てはまるのでしょうか?
現状の日本では難しいと思われます。

日本のほとんどの不動産はインフレに負ける可能性がある

最大の理由は空き家が増えていることです。
全国的には800万戸の空室があると言われており、人口減少によってますます増えると考えられます。

仕事がない地方から仕事がある都市部に人は移動します。不便な場所に家を買った人は、高齢化で病院や買い物の利便性を考え、自宅を手放し都市部のマンションなどに移動します。
すると、不動産を買いたい人は減るにもかかわらず売りたい人は増え、値下げ競争が厳しくなる可能性が高くなります。

ということは、自分の資産を守りたいと考える人の目が向かうのは、「いつの時代でもみんなが買いたい・借りたい」と考える不動産です。
結果として、都市部、高級住宅地、あるいは何か特別な理由で魅力がある不動産に集中します。

かくして特定のエリアの不動産だけがインフレを起こし、それ以外は見向きもされない、ということが起こる可能性があります。