きちんとした監理が欠陥住宅を防ぐ
「たけかん」である管理は、工事の進行具合や、職人さんや部材が必要に応じて予定通り手配されているかといったことを現場の責任者が管理します。つまり、現場が問題なくスムーズに進行していくために欠かせないのが管理。工程表通りに工事が進行していくことは私たち施主にとっても無関係ではありませんが、どちらかというと管理は施工業者のためのものだといえます。それに対し、「さらかん」の監理は設計図書に書かれている通りに施工されているか、部材などの間違いや施工忘れの箇所はないかを監理します。施工ミスなどはこの監理で発見されないと、間違ったまま工事が進行し、家が完成してしまう恐れがあるのです。つまり、欠陥住宅を防ぐためにはこの「監理」がとても重要な役目を果たすことになります。そういった意味で、施主にとってはより重要な「かんり」だと言ったわけです。
監理にもこだわって施工会社選びを
それだけ重要な監理ですから、家づくりの工事の依頼先を決めるときにもこだわってみましょう。監理について、どのように考えているか、どういった体制で臨んでいるか、検討している会社に聞いてみるとよいですね。多くの会社では、工事を担当する部署が管理を行い、設計などを担当する部署が監理を行うということが一般的のようです。別の部署といっても同じ会社で管理と監理を行うことになるので、それぞれの部署がどれだけ独立していて、どのように連携しているのか質問してみるのもいいと思います。中間検査や瑕疵担保保証の検査などで外部の検査員が検査に入るのですが、これらの検査で完全に施工忘れや施工間違いが見つかるとも言い切れないのが現状です。そこで、住宅性能表示制度をとり入れるなど、さらに多くの外部の検査員が入るようにするのもよいと思います。
費用はよけいにかかりますが、工事中の検査を第三者の検査会社に依頼するという方法もあります。その場合も、施工会社に紹介してもらった検査会社や、提携している検査会社は避けたほうが無難でしょう。検査会社もさまざまなので、インターネットや口コミなどで評判を確かめてから、依頼するようにしたいものです。
重要な工事では立ち会いをしよう
基礎のコンクリートを打つときは、できれば立ち会いたい工程のひとつです
そのほかにも、頻繁に足を運び、疑問に思ったことやおかしいなと思ったときは、早めに問い合わせましょう。その際、できるだけ職人さんたちに直接質問をするのは避け、現場の責任者に聞くようにします。何度も現場に通ううちに職人さんたちと顔見知りになり、いろいろなことを話してくれるようになるケースもありますが、疑問点などは工事の請負契約を交わした施工会社の責任者に伝えるのが筋です。現場に行ったときには、職人さんたちの邪魔にならない程度に、工事中の写真を撮影しておくことも、後々の確認や間違い防止につながるでしょう。