これは個人的な見解ですが、2012年以降、日本の経済はますます悪化するのではないかと考えています。
円高は続く
アメリカは史上初の国債の格下げで、リーマンショックの原因ともなった不動産の不良債権処理もほとんど進んでいません。フレディーマックやファニーメイは大きな爆弾を抱えています。
EUも大変な状態で、ギリシャのデフォルト懸念だけでなく、イタリアやポルトガル、スペインなど輪番制で危機が来そうな勢いです。
なおかつスイスが本気で為替介入していますから、もはや退避通貨は円しかありません。(日本も過度な円高には断固たる措置をとると言っていますが、スイスは無制限にスイスフランを供給する介入を表明しており、こちらのほうが本当の意味で断固たる姿勢です。)
金(ゴールド)も上昇していますが、市場の大きさは通貨よりもはるかに小さく、資産逃避には限界があります。
そう、現時点では、円高の流れは止めようがありません。
輸出競争力を失い耐えきれなくなった製造業を中心に、海外に出て行きます。実際、その動きは加速しています。もはや雇用の中心はアジアにシフトしています。
復興のため臨時増税されると、ますます海外に出て行く企業が増えるかもしれません。
感情的な脱原発議論のおかげで代替エネルギー確保の前に原発が停止されると、電力供給が制限され、円滑な企業活動に水を差します。
火力発電重視なら、国際的な資源価格高騰もあって電気料金が上がり、さらに海外に出る企業も増えるでしょう。(日本はCO2マイナス6%という京都議定書も守れず、排出権取引で再び数百億円規模もの出費を強いられるかもしれません。これも税金が使われます。)
大不況の嵐が吹き荒れる?
結果として、国内雇用はますます縮小します。失業率は上がり、国民の財布はますます固くなり、内需も縮小し、企業は業績が頭打ち、給料も上げられません。
増税、電気代アップ、雇用や給与の減少によって、私たちの可処分所得はますます減少します。
ただでさえ日本の国債残高が世界的な問題になっている折りに、為替介入や復興のために
さらなる借金が増加します。
社会保障関連負担はますます増えるにも関わらず、国債の利払い負担も比例して増えています。
復興需要で景気は回復するという論調もありますが、国民の財布の紐が固い上に、もともと過疎化が進んでいた地域にまた同じようなものを建てることが、本当に意味があるのでしょうか。
復興景気はおそらく幻想に終わるでしょう。
これは何も恐怖を煽りたいわけではなく、個人はそうした悪い状況に耐え、乗り越えられる準備をしておかなければならないということです。
ギリシャが破綻しようと日本が破綻しようと、超円高になっても超円安になっても、国が預金封鎖をしようがデノミ(通貨切り下げ)をしようが、私たちは生きていかなければなりません。
その選択肢のひとつとて、畑で食べ物を栽培し、水源を確保し、ソーラーパネルを設置し、自給自足できる環境を作る、というもの有効でしょう。
しかし現実問題としては、やはり稼ぎ力をつけることです。
ただし、給料を上げていくことは、ことのほか難しい情勢になってきました。