実はルノー・スポールが開発
少し前に発売されたトゥインゴ・ゴルディーニRSと同じ最高出力98kW[134ps]、最大トルク160Nm[16.3kgm]というスペックの1.6Lエンジンを搭載
ウインドは走りの良さも誇れるクルマです。他のルノーのベーシックカーと同じように乗りやすく、乗り心地もいたって快適でありながら、スポーツカーとしても十分に楽しめるドライビングプレジャーを持っています。剛性面では不利なオープンボディにありがちな微振動も、まったくないわけではないものの、ほとんど気にならないほど小さく抑えられています。
ロールは小さく、ハンドリングは俊敏な味付け。実は、グレード名に「RS」の名前は付かないものの、ウインドは、ルノーのモータースポーツ部門であり、F1との関連も深い「ルノー・スポール」が開発したとのこと。スペック面で特筆すべきものもなく、雰囲気を楽しむためのクルマだろうと思っていたのですが、ルノー・スポールによりしっかりと作り込まれた走行性能も秀逸。オープンカーである以前に、ウインドは走りそのものがとても気持ちよく仕上がっています。
ルーフはブラック。閉じるとキュートなクーペスタイルに。写真のスポーティなデザインの17インチホイールはオプション
そんなウインドの価格は255万円と現実的。愛らしいスタイリングを持つ、クーペとロードスターのスタイルを自在にアレンジできるクルマであり、しかも走りも楽しめて、実用性もまずまずというクルマです。ルノーというメーカーのマルチタレントぶりを存分に発揮した1台といえるでしょう。
左ハンドルのみでMTのみという、かなり思いきった設定ではありますが、ウインドの場合は、これでいいのではと思います。だからこそ欲しいという人も少なくないことでしょう。ATがあれば検討したいという人もいるかもしれませんが、ぜひMTで乗って欲しいというのがルノー側の思いと理解すべきでしょう。ところでウインドは限定車ではありませんが、日本への割り当てにはそれほど余裕があるわけではなく、2011年は70台とか。興味のある方はお早めに。