ボディケアの必要性
ゴルフでは、スイングの形やテクニックなど、プレーヤーは技術面の関心が高いのが特徴といえます。道具を使い、また走ったり飛んだりといった瞬間的な動きをすることが少ないためか、他のスポーツに比べると、身体面の強化、ケアといったことに、あまり注意を払われなかったように感じます。
しかし、トーナメントを戦うプロゴルファーを中心に、ここ10年ほどでフィジカル面への関心はゴルファーの間でも高まりつつあります。
40歳を過ぎて、中嶋常幸プロが、あらゆる技術面の取り組みが上手くいかず「刀折れ、矢尽きた」と感じるほどの大きなスランプに見舞われた際、ストレッチや筋肉の強化といったフィジカル面の見直しを機に、再びトッププレーヤーへと復活したことなどは、その典型的な例といえるでしょう。
肉体の強化は、アメリカの方が熱心のようです。
ツアープロの多くが、ウェイトトレーニングを中心とした肉体強化を行っています。この10年余りで、PGAツアープロのドライバー平均飛距離は30ヤード近く伸びていますが、フィジカル面の向上が、道具の進化とともに、その飛距離アップの大きな要因となっています。
さて、日本の一般的なアマチュアゴルファーの現状はどうでしょうか?
最近では、ラウンド前にストレッチなどを行っている方も増えてきましたが、まだまだ少数派。素振りもそこそこに、ティーオフしたり、準備運動もなく練習場でビシバシ打っている方は多いようです。
ゴルフは、紛れもないスポーツです。一日でかなり長い距離を歩きます。
また、フルスイングすると強振すると身体にかなり強い負荷が加わります。前傾して、身体をひねりあげ、そこから全力で捻じり戻して振り切るわけですから。瞬間的な筋力も持久力も必要なそれなりにハードなスポーツなのです。
中嶋プロのような第一人者でも技術を下支えする身体の面で不安を抱えていると、思うような成績が出せないわけです。ジャンボ尾崎プロが、まず身体づくりという意味で「体・技・心」と言ったのは有名な話です。一般的なゴルファーも、もっとボディケアに関心を払っても良いのではないでしょうか?