シート、操作感、乗り心地……、乗り味は“シトロエン”
セダクションは最高出力120ps/最大トルク160Nmを発生する1.6リッターに4AT、エクスクルーシブは最高出力156ps/最大トルク240Nmの1.6リッター直噴ツインスクロールターボにシングルクラッチの2ペダルMT、6EGS(エレクトロニックギアボックスシステム)を搭載
特別な仕組みを使わずに、シトロエン味を出すことができるか……。旧型でもその気配はあったし、新型C3ではかなりそれらしくなったが、新型C4は決定的だと言っていい。ドイツ車とは一線を画す、タメの利いた乗り心地で、とても個性的。好き嫌いは分かれるだろうが、それがシトロエンを選ぶ理由というものだろう。
エグゼクティブには、いまやPSAプジョーグループのガソリンエンジン、唯一の主力となった1.6リッター直噴ターボが積まれていて、パフォーマンスそのものに何ら不満はない。508まで動かすエンジンだ、むしろ力強さが目立っている。下2グレードは自然吸気+トルコンだから印象も異なるだろうが、直噴ターボモデルの実用域における走りは相当にパワフルだった。
乗り心地がよくて、パワーも十分となれば、気になってしまうのはロボタイズドミッションの変速フィーリングである。制御そのものはかなり進化したと思うし、特に気を遣うことなく走らせていて、いやだなあと思う場面もほとんどなかったけれど、やはりVW系などの最新のデュアルクラッチモデルと比べれば、はっきり、動的な質感で一歩劣ってしまう。特に街中を低速で進んだり停まったりするときのマナーが、どこか頼り無さげでセンも細い。なるほどそのあたりが無骨なドイツ車ではなく、華奢なフランス車っぽい、ということなのかも知れないが……。
とはいえ、ゴルフまみれのCセグメントに、アンチゴルフ派には痛快な選択肢の登場である。