シャシーを磨くことで、走りとエコを両立
1.6リッター直噴ツインスクロールターボエンジンは、116iでは最高出力136ps、118iでは170psと出力が異なる。ミッションは6MTと8ATが組み合わせられる。燃費(EUテストサイクル)は100kmあたり116iが5.5~5.7リッター、118iが5.8~5.9リッター
街中で上級車なみの乗り心地をみせたかと思えば、カントリーロードではキレ味・アト味、ともによく、全域で爽快に動いてくれる。張り切って飛ばさなくても、たんたんと一定速で走っていること自体が楽しいのだから、驚くほかない。
通常、80~120 km/hあたりで流れにのってドイツのカントリーロードを走っていれば、とても退屈してしまうもの。高いびきの助手席につられてうとうとしてしまう、なんてことが今回、まったくなかったのだ。ゆるやかだけれど、はっきりと表情のある地形に沿って、いろいろなコーナーを、ひとつひとつ、丁寧に味見しながら走るということが、こんなに楽しかったなんて! ガンガン攻めて走ることだけが、ドライビングの楽しさじゃない。
だから、省燃費走行を支援してくれる、実にBMWらしくない装備、エコPROモードでだらだら走っていても、なんだか心が浮き立つ。
6速40km/h、750回転でもシフトダウンの指示が出ず、エンジンが粘りに粘って、じっくりと加速に移っていく。その間、エンジンのフィールはまったくもって無粋だけれども、ライドフィールが前述のように素晴らしいものだから、エコPROモードを積極的に使おうという気になる、というわけだ。
いずれにせよBMWは、シャシー性能にいっそう磨きをかけることで、ドライビングファン的にも、そしてエココンシャス的にも、ひとつのポジションを築き上げたように思う。
日本への上陸は年内が予定されている。116iと118iになるはずで、スポーツとアーバン(日本名スタイル)という2種類のトリムで導入される。もちろん、ミッションは本国ではオプションの8速ATを積む。これで価格据え置きレベルとなれば、プレミアムコンパクトのスタンダードが大きく変わるに違いない。