スイスでハイジの舞台を巡る(5ページ目)

アルプスのお花畑

ハイジが叔母さんのデーテに連れられて、おじいさんのもとにやって来たのは6月。スイスの山の牧草地では、5～6月にかけて色とりどりの野の花が一斉に咲き誇ります。

ハイジの物語でも、赤い小さなさくらそうや、青いりんどうが、いちめんに群れて咲きながら、風にそよいでいる様子が描写されています。

自然の懐に抱かれることにより、神のみもとに戻ることができると考えていたシュピーリ。ハイジの物語全体を通して、スイスの自然の生き生きとした描写が続きます。

アルプスの夕焼け

ハイジが山火事と間違えて、「山が燃えている！」と叫んだアルプスの夕焼け。スイスの山が、一日の中で最も美しい姿を見せる瞬間です。ドイツ語で「アーベント・グリューエン」と呼ばれ、「夕映えにきらきらと光を放つ」という意味になります。

真っ赤に染まった山は、ほんのわずかの時間に刻々と色を変え、やがて夕闇の中に消えていきます。

ハイジが感動したアルプスの夕焼けを見るためには、山岳ホテルに泊まるのが一番。夕映えに真っ赤に染まるアルプスとじっくり対面しましょう。中には、個室にシャワーなど、麓のホテルと同じように快適に過ごせる山岳ホテルもあります。

チーズ

ハイジの山での食事は、黒パンとチーズ、そしてミルクでした。スイスの農業と言えば、酪農が中心。スイス各地の山岳地帯で、夏の間牛飼いは小屋に住みこんで搾乳しながらチーズ作りに励みます。

チーズの里として有名なグリュイエールやエメンタール地方では、チーズ工場の見学ができますが、ハイジが過ごした小屋の雰囲気を感じたい場合は、シャトーデー村にあるレストラン「ル・シャレー」へ。お店の中にある大きな銅製の鍋にミルクを沸かしてチーズ作りが行われています。シャトーデーは、ユングフラウ地方からレマン湖へ抜けるゴールデンパスラインの途上にあるので、時間があればぜひ立ち寄ってみましょう。

＜DATA＞
■Le Chalet（ル・シャレー）
住所：CH-1660 Château-d'Oex
TEL：026-924 66 77
営業時間：月・火曜を除く13時半～15時半