女性入居者が一番気になる「セキュリティ」
侵入箇所は窓からが多く、女性にとって心理不安も大きい
山下部長によれば、入居者が賃貸住宅選びで重視するポイントは「立地」「賃料」「広さ・間取り」「設備」などですが、女性入居者は特に「防犯設備」を重視する傾向にあるとか。
電動チェーンゲートをするなどして敷地を防犯包囲している
「セキュリティに配慮することで、1階でも女性が安心して入居でき、1階の空室の解消できればオーナー様にとっては入居率も収益もアップする好循環が生まれます。」
女性入居者の心理に近づいて防犯設備を充実させた手法が奏功したといえるでしょう。
商品開発部の女性スタッフによる「女子向け」仕様の提案
不審者に砂利音でよせつけない防犯砂利。設備やエネルギーを使わない工夫の一つ。
ホームセキュリティに加えて、目に付かない位置への物干しの設置や部屋干しのためのアイテムを提案したり、大きな鏡付きの幅広の洗面台は幅が広く使いやすく、スツールを格納することもできるドレッサータイプ。
たくさんの服や靴をたっぷり収納できる専有面積の約10%の収納スペースや、一部の壁面にアクセントクロスを使うことでおしゃれなイメージになるなど、女性の心をとりこにする提案となっています。
入居者のメリットがオーナーのメリットに
建物全体をセキュリティシステムで包囲した配置図
とはいえ、設備をハイスペックにすればその分、建築費も上がって家賃に反映せざるを得ないということになっては、オーナーにとっては頭の痛い話。同社の場合は、ALSOKとの業務提携によりイニシャルコストとランニングコストを抑えることで、建築費への反映や入居者の負担を抑制することができたことが大きかったようです。
どこまで防犯体制を整えているかを分かりやすく見せることも、これからの女性入居者には必要?
入居者の注目を集め、安定経営をしたい土地オーナーも喚起する戦略。同社が自信をもって提案する女子向け賃貸も、ますます好調となりそうな予感……。